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私が負担した母の「老人ホームへの入居一時金」は、贈与でしょうか?

節税小ネタ(相続税・贈与税)

2013年09月12日

 急速な高齢化の進展により、今や、有料老人ホームへの入居は珍しいことではなく、入居に係る各種費用について、夫が妻の費用を払ったり、子供が父母の費用を払ったりするのは一般的なことになってきています。

 有料老人ホームといっても、入居一時金0円の格安ホームから、億単位の豪華ホームまでさまざまです。
 入居一時金は高額ではないものの、月額利用料が高いところ、月額利用料を入居時に前払いして支払い、月々の負担が少ないところなど、いろいろですが、いずれにしても、まとまったお金が必要になる場合が多いでしょう。
 
 

 では、このような場合、これらの費用は、贈与なのでしょうか?
 まさか、贈与税がかかるのでしょうか?

 具体例で考えてみましょう。

(例)
   母が介護付有料老人ホームへ入居しました。
   母は、預金も少なく、年金もわずかなので、
   入居一時金945万円、月額利用料24万円は、長男である私が負担しています。
   
   
   母は、要介護4の認定を受けています。

(結論)
   この場合は、贈与税は課税されません。

 

 本来、お母様が自分で負担すべき老人ホームの入居一時金をご長男が負担しているため、945万円は、贈与に該当します。

 しかし
  「贈与税の非課税財産」
の規定により、
  「扶養義務者」である子が、
  生活費に相当する老人ホームへの入居一時金を支払い、その金額が過度に高額でない支出であるときは
  「贈与税の非課税財産」に該当し、お母様が贈与税を支払うことにはなりません。

 

 贈与だけれども、非課税財産だから、贈与税は課税されないわけです。

 

 「贈与税の非課税財産」「扶養義務者」という言葉について少し補足説明します。

① 「贈与税の非課税財産」
 扶養義務者から、生活費又は教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの

 ここでいう生活費は、通常の日常生活に必要な費用をいい、教育費とは、学費や教材費、文具費などです。
 贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度、直接その目的に充てるためのものに限られます
 生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合でも、実際の生活費や教育費に使用せず、貯金したり、株式や不動産の購入資金に充てている場合は、贈与税がかかります。

② 「扶養義務者」
   配偶者
   直系血族(子、孫、ひ孫等)
   兄弟姉妹
   生計を一にしている3親等内の親族

 

 では、通常必要と認められる」 とは、どれぐらいの金額をさすのでしょうか?過度に高額でない金額 とはいくらをいうのでしょうか?

 実は、これについては、「社会通念で判断する」との規定があるだけで、明示されていません。いくらまでなら通常なのか、と頭を悩ませることになります。
 国税不服審判所の判例でも、入居一時金が、贈与税の課税はないとされたケース(H22/11/19裁決)、贈与税の非課税財産に該当しないとされたケース(H23/6/10裁決)があります。

 有料老人ホームへの入居の場合、ホームの形態や契約内容、入居者本人の健康状態などで、「通常必要と認められるもの」に該当するかどうか、ケースバイケースで判断することになります。

 2つの判例の具体的内容については、次回、ご紹介したいと思います。

 


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