コラム『所長の眼鏡』

羞恥心のネジを飛ばす2016.12.01

 先月はアメリカの大統領選挙と韓国の大統領のスキャンダルが世間を賑わしました。世間というより世界ですね。 ここでは韓国について言及するのは控えますが、アメリカの次期大統領にはドナルド・トランプ氏が就任することに決まりました。まさかです。

皆さんは、どう考えますか?  A「アメリカの大統領なんて自分には関係ない」 B「トランプが大統領になると、自分にはどんなチャンスがあるだろう」 Aのように考えるかBのように考えるかで、大きく違うように思われます。 実際、Bの考え方で、11月9日~10日というたった1日で、数千万円を稼いだ人もいます。 円ドルのレートは3円以上の値動きがあり、日経平均も1,000円以上の値動きがありました。 彼らからすると、トランプショックではなく、トランプ祭りだったのです。 この人たちは、大きな時代の変化が、大きなチャンスをもたらすことを分かっている人たちです。 マスコミはどうしても危機感を煽りますので、ほとんどの人は株価は大幅に下落すると思っていたでしょう。 私も思っていました…(^^;)

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さて、ありえない発言をしてきたトランプ氏ですが、トランプ氏のすごいところは「羞恥心がない」ということです。 あの人には「恥ずかしい…」という気持ちがあるのでしょうか。 いかにもカリスマ経営者という感じがしますが、ISをアメリカから追い出す!」「メキシコ移民は国に返し、国境に壁を築く!」など過激な発言のオンパレードでした。 日本に対しても過激な発言をしていました。 マスコミは政治のことは全く分かっていない素人だと批判していましたが、トランプ氏にとってはそんなことはどうでもいいのです。 「頭がおかしいくらい恥ずかしさがない」のです。 かつてのオバマ氏の演説もそうでしたし、スティーブ・ジョブズもそうでした。 突き抜けてる人というのは、「羞恥心」というネジが飛んでるんですよね。

そもそも選挙演説とはそういうものかもしれません。 日本の政治家も、「増税は阻止します!今の社会保障制度では国は滅びます!それを救えるのは私だけです!」 こんな演説をよく耳にしますが、普通に考えてこの人たちも「羞恥心」のネジが飛んでますよね。 ただ、アメリカの大統領と日本の一政治家とでは、責任の重さが比べ物になりませんし、命の危険性も圧倒的に低いでしょう。 そう考えると、やはりトランプ氏はネジが飛んでます。 彼の本気度がどの程度かはわかりませんが、どのようなリーダーシップを発揮するのか見物です。

いずれにしても、情報発信力というのは政治の世界だけでなく、経営においても、生きていくうえでも重要です。 以前に「日本人は10できるのに1しか伝えない。中国人は1しかできないのに10伝える」と言っていた人がいました。 妙に納得してしまいましたが、謙虚な民族と厚かましい民族という、文化の違いだけでは済まされない時代になってきました。 トランプ大統領の誕生により、日本もいよいよ本気で自立を考えなければなりません。 アメリカ、ロシア、中国の協調による世界コントロールの時代に突入する可能性が大で、日本は政治もビジネスも取り残されないようにしなければなりません。

皆さんは、「自分には関係ない」と思いますか? それとも「自分にはどんなチャンスがあるだろう」と思いますか?