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先義後利

所長の眼鏡

2006年08月1日

2ヶ月ほど前の6月5日、村上ファンドの村上世彰氏が逮捕される直前に異例の記者会見を行いました。
私は、その席での彼の言動、「金儲けはそんなに悪いことですか?」と言ったことに対して、違和感を覚えるどころか、腹立たしくなりました。
さらに、「皆さんが僕のことを嫌いになったのは、たぶん僕が儲けすぎたからです!」と言い切っていましたが、果たしてそうなのでしょうか。
少なくとも私は、彼が昨年9月に阪神電鉄の株式を買ったときから嫌いでした…。しかし、そういう席上での発言は別にして、儲けることは悪いことではありません。彼がルールを守らなかったことが悪いのです。

大丸百貨店のルーツである大丸下村家(大丸呉服店)は店主の心得として、法令の遵守を家訓としていました。その心得を一部抜粋して挙げると、
一 ご公儀のご法度をよく承知して、堅く守ること。
一 「こんなことは誰もがすることだから、かまわない」「知れることもないし、お調べも無い事」などと言う者もいるが、当主の最も嫌いな言葉である。
一 むやみに功績を焦らず、自然体で働く事。功績を焦れば、やがてはご法度や家法を犯し、それまでの実績をことごとく無くすることになる。それをよくわきまえておく事。
一 家訓を忘れたり、失敗したりすることは誰にでもある事なのに、それを隠そうとするのは思い違いである。誤りを素直に認めて改めることに何の障害もないはずである。
一 自分の誤りを認めようとせず、さして重要でもないことまで責任を回避するために言い訳するのは器量がないからだ。誤りを認めることは恥ずかしいことでもないのに、隠そうとするのは、邪まな心がある証拠である。決して重要な仕事を任せてはならない。
一 本家の当主であろうと、次の当主になろうとするものであろうとも、品行が悪く、誠実に努めていないと皆が言っているときには、この家訓を読み聞かせて引退をさせる事。もし、そのまま放置して家を潰すような事になれば、これまで築いてきた先祖に申し訳が立たないばかりか、当家に奉公している皆にも迷惑がかかってしまう。取り巻き連中が集まって、さらに悪知恵をはたらかそうとしたならば、親戚一同が会合を持って、当主ともども勘当を言い渡すとともに親戚の中から最も適したものを次の当主として選ぶ事。

この大丸下村家にはこんな逸話が残っています。
天保8年(1837年)、飢餓により大衆が苦しむ中で豪商たちが米の買い占めにはしり、価格を吊り上げていくことに怒った陽明学者の大塩平八郎と彼の門人たちが蜂起し、飢えている民に食料を与えるために豪商の米蔵を次々と襲っていきました。

しかし、群集が大丸呉服店に迫ったとき、平八郎は「ここは義商なり、かすむべからず」と制しました。大丸だけは襲撃を免れたのです。
儲ける前に正義ありの「先義後利」の経営姿勢が大衆の支持を得ていたことを物語っています。


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