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牛のようになりたい

所長の眼鏡

2012年02月1日

早いもので、今年もすでに1ヶ月が過ぎましたが、年の初めに私が事務所のスタッフ全員に伝えたのは、

「牛のようになりたい」という言葉です。

これは中国の文豪「魯迅」の言葉で、

魯迅曰く、「難しいことを難しく書くのは誰にでもできるが、難しいものを噛み砕いて易しく書くことはとても難しい。同じように、一般の人が食べられない牧草を、牛が食べて牛乳として世の中に出せば、きっと皆がおいしいと飲んでくれて、知的な栄養として吸収される。」

 

皆さんにも経験があると思うのですが、急速にITが普及した頃、一般の人は何がなんだか訳が分かりませんでした。

本や雑誌を買い、パソコン教室に通い、それでも多くの人は理解ができなかったのです。

・・・なぜか!?

当時のITの専門家は、得意気に専門用語を並び立て、一方的にそれを押し付けたのです。

しかしふと振り返ってみれば、私の職業も同じです。

会計や税金といったものはもともと理解され難く、事務所のスタッフには、なるべく専門用語を使わず、自分だけ分かっているような説明をしないように指導しています。

魯迅が言うように、相手が理解し、栄養として吸収されないと意味がないのです。

 

もうここまでくればお分かりだと思いますが、製造、販売、サービス、さらに医療などもすべて同じです。

マーケティングやプレゼンの失敗は、自分が提供できる「売り」を教育できていないことです。

すなわち、誇れる事実も、きちんと説明しなければ顧客には伝わらないのです。

なぜなら、顧客はこれから購入しようとしているものに対して、それほど多くの情報を持っていないからです。

商品に対する疑問が多ければ多いほど、その商品に多くのお金を投資しようとは思いません。

 

あるカップルの美術館での出来事です。

彼らはパンフレットに5ドル払い、最初の回廊で名作を鑑賞し、感嘆しました。ルノワール、ゴーギャンは有名で、もちろん二人もよく知っています。

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すると次の回廊には、世にも奇妙な蛍光色の幻覚を見るような絵画がありました。

この絵についてはパンフレットに掲載がありません。

二人は呆れ、その絵画を後にし、美術館のほかの名画や彫刻などを鑑賞しました。

しかし美術館も最後の頃、二人はあの不愉快な絵画の説明がパンフレットの終わりに書いてあるのを発見します。

その説明を読むと、その絵画はある画家が生涯に書いた、たった4枚の絵画のうちの1枚であり、画家はこの作品を完成させるまでに22年間の年月をかけ、名画家と謳われたことを知ったのです。

そして先ほどの作品は、4百万ドルで購入されたばかりでした。

最初、不快感を露にしていた二人は、作品に駆け戻り、再度鑑賞したのは言うまでもありません。

パンフレットの説明書きによって教育された二人は、ようやく作品の価値が理解できたのです。

 

今の時代、物があふれ、何でもすぐに調べられます。

極端に言えば、宴会でクイズ大会をやってもスマホですぐに答えを検索できます。

しかし、商品やサービスの価値の情報は簡単に調べられません。

 

あなたなら

「職人さんが作った70万円の高級バック」

「皮のなめしから縫製までをこの道50年の職人さんが手作業で行うため、3年待ちとも言われている70万円のバック」

のどちらに価値を見出しますか?

 

これはこちらから伝えなければ分からないのです。

その時、魯迅が言った「牛のように」、難しいものを噛み砕いて、一般の人に易しく伝えなければならないのです。


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