事務所ブログ
ゴルフ会員権等の譲渡損失に係る損益通算不可について2014.03.25
平成26年4月1日以後に行うゴルフ会員権等の
売却損と他の所得との損益通算ができなくなります。
これは、譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない”生活に通常
必要でない資産”の範囲に、”主として趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産以外
の資産”を加えられたことによります。
※ これまでの”生活に通常必要でない資産”とは、次の3種類の資産をいいます。
- 競走馬(事業用を除く。)その他射こう的行為の手段となる動産
- 通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で主として趣味、娯楽
又は保養の用に供する目的で所有するものその他主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目
的で所有する不動産 - 生活の用に供する動産で譲渡した場合に非課税とされないもの
この“生活に必要でない資産”の範囲には「利用権型」のリゾート会員権も含まれ、
ゴルフ会員権同様に損益通算ができなくなります。
(「区分所有型」のリゾート会員権の譲渡損失は、分離課税となる土地や建物等の譲渡損失に該当するので、
既に他の所得との損益通算はできません。)
現在、会員権をお持ちで多額の含み損がある方は、これを機に売却を検討しては
いかがでしょうか?
ただし、預託金制クラブの会員がそのクラブを退会して預託金の償還を受けたが、その償還された
がの損益通算することはできません。
なぜなら会員権に係る預託金返還請求権の行使は、通常一定の据置期間経過後に、クラブからの
退会を条件に認められます。
これにより預託金の償還を受けるという行為は、優先的施設利用権を自ら放棄して、単に貸付金債
権を回収する行為であり、会員権を譲渡したものとみることはできません。
したがって、譲渡所得の基因となる資産の譲渡により生じた損失には該当しないため、他の所得と損
益通算することはできないのです。
また、これにより償還不足額が生じたとしても、その償還不足額は「家事上の損失」として、所得税の
計算上考慮されません。
なお、預託金の額を下回る金額で第三者から会員権を取得していた者が、クラブからの退会に伴い、
その取得価額以上の預託金の償還を受けた場合には、その所得は、雑所得となります。
上記改正は個人に係るものであるため、法人が所有する会員権の譲渡損失は、
これまで通り損金計上できるのでご注意ください。
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