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相続時精算課税の適用要件の改正について(平成25年度税制改正大綱)2013.02.09
相続税が増税される予定であることはニュースでも取り上げられ、話題となっていますね。
今まで「5000万円+1000万円×法定相続人数」であった相続税の計算における基礎控除額が、平成27年から「3000万円+600万円×法定相続人数」に引き下げられるのです。
だから都心に家を建てていたら、相続税を払わなければいけなくなる。。。
その節税方法として相続時精算課税があります。
相続時精算課税とは、生前の贈与に係る2500万円までの資産について贈与税を繰り延べし(ただし2500万円を超える資産には一律20%の贈与税が課されます)、相続発生時に相続財産に当該資産を合算して納税額を精算する方法です。
今回の税制改正では、この相続時精算課税の適用要件が改正されることとなりました。
今まで一定の親子間の贈与のみ適用であったのが(代襲相続の場合例外があります)、平成27年1月1日以後の贈与から一定の祖父母から孫への贈与についても適用できる扱いとなります。年齢要件の改正内容は以下の通りです。
贈与者は60歳以上(現行は65歳以上)に引下げ
(受贈者は20歳以上で変更なし)
今回の改正により相続時精算課税を選択適用できる納税者が増えますが、注意しなければならないのは、孫への相続時には2割加算の制度があることです。2割加算とは通常の相続税額の2割の金額を加算されてしまうことです。
また相続時精算課税を選択した場合、納税が繰延べられた資産が相続財産に合算されるため、相続財産が多額になると、逆に納税負担が大きくなってしまうケースが出てくるので、注意が必要です。
相続時精算課税のメリットは、相続時精算課税は贈与時の資産の評価額により相続財産と合算されるので、将来値上がりする可能性のある資産について生前贈与する場合などには効果的であることです。
この他に相続税・贈与税に係る大きな改正(祖父母から孫などへの教育資金について1500万円の非課税枠の新設など)があるため、今回の改正に際して、相続シュミレーションや資産に係るタックスプランの見直しが必要となってきますね。
この大綱は予算関連法案が国会で可決・成立されてからの施行となります。