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住民税の住宅ローン控除における控除限度額が引き上げられました2015.06.10

 平成26年分の確定申告書を提出された方は、市役所から平成27年度個人住民税の納付書が届いている頃かと思います。 第1期の納期限は6月30日ですので、忘れずに納付しましょう! さて住民税の住宅ローン控除についてですが、平成21年から平成31年6月30日までの間に居住し、所得税の住宅ローン控除を受けた方は、所得税から控除しきれなかった額を個人住民税で税額控除することができます。 これは厳しい経済状況を踏まえ、住宅投資を活性化し、景気浮揚の突破口にしようという狙いから実施されました。 今回は、この住民税の住宅ローン控除について、平成26年4月1日からの消費税率の引き上げに伴う影響を緩和するため、平成27年度の住民税より控除限度額が引上げられましたので、ご案内します。 まず、住民税の住宅ローン控除額の算出方法は以下の算式の通りです。 所得税における住宅ローン控除可能額 - 住宅ローン控除適用前の前年の所得税額 = 個人住民税の住宅ローン控除額(A) ただし、上記の式で算出された控除額(A)が、「前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(97,500円を限度)(B)」を超えた場合には、控除額は(B)の金額になります。 そして、居住年が平成26年から平成31年6月30日までであって、その住宅の取得等が特定取得(※)である場合には、上記の式で算出された控除額(A)が、「前年分の所得税の課税総所得金額等の7%(136,500円を限度)(C)」を超えた場合には、控除額は(C)の金額になります。 ※ 特定取得とは、住宅の取得等の対価の額に含まれる消費税が8%の税率である場合におけるその住宅の取得等をいいます。 では具体例を見てみましょう <具体例1> ・居住年月日:平成26年3月10日 ・前年分の所得税に課税総所得金額:2,575,000円 ・所得税における住宅ローン控除可能額:200,000円 ・住宅ローン控除適用前の前年の所得税額:160,000円 (1) 200,000円-160,000円=40,000円(A) (2) 2,575.000円×5%=128,750円 > 97,500円 ∴97,500円(B) (3) (1) <(2)  ∴40,000円
<具体例2> ・居住年月日:平成26年3月10日 ・前年分の所得税に課税総所得金額:1,980,000円 ・所得税における住宅ローン控除可能額:200,000円 ・住宅ローン控除適用前の前年の所得税額:100,500円 (1) 200,000円-100,500円=99,500円(A) (2) 1,980.000円×5%=99,000円 > 97,500円 ∴97,500円(B) (3) (1) >(2)  ∴97,500円
<具体例3> ・居住年月日:平成26年9月10日(※特定取得に該当) ・前年分の所得税に課税総所得金額:2,575,000円 ・所得税における住宅ローン控除可能額:400,000円 ・住宅ローン控除適用前の前年の所得税額:160,000円 (1) 400,000円-160,500円=240,000円(A) (2) 2,575.000円×5%=128,750円 < 136,500円 ∴128,750円(C) (3) (1) > (2)  ∴128,750円 以上の具体例のように、所得税のローン控除限度額が所得税で引ききれない場合でも、住民税から全額引ききれないケースもありますのでご注意ください。