給与負担金の取り扱い2015.06.29
本日は「星の王子様」の作者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの誕生日です。「大切なものは目に見えない」という言葉が深く印象に残る文学書です。私の中では、また読んでみたいと思う一冊です。
さて、従業員が他の法人に出向した場合で、出向元が給与を支払うものの、出向先から給与負担金を受け入れることがあります。今回はそのような場合の出向元の会計処理をご紹介します。
1、給与の額と給与負担金の額が同額のケース
①両建て(給与は損金・給与負担金は益金)となるため、特別な課税関係はありません。
②消費税は給与・給与負担金とも不課税となります。
③源泉所得税は従業員に給与を直接支払う者が徴収・支払いの義務があるため、今回は出向元の会社が徴収・支払義務を負います。
2、給与の額 < 給与負担金のケース
①給与は通常通り損金です。
また、給与負担金のうち給与相当額を超える差額部分については、合理的であれば「経営指導料」として、合理的でない場合は「受贈益」として、いずれの場合も益金となります。給与相当額部分は1、と同じく益金です。
②消費税は差額部分が「経営指導料」であれば課税売上となり、「受贈益」なら不課税となります。
他は1.と同じです。
3、給与の額 > 給与負担金のケース
①給与のうち給与負担金相当額を超える差額部分が、給与格差を補填するためのものなら損金算入できますが、合理的な理由がなく出向先の費用を肩代わりしているような場合は寄付金として損金不算入となります。
②消費税は①のいずれの場合も不課税となります。
他は1.と同じです。
このように給与と給与負担金との間に差額がある場合は税務上問題となる可能性があります。また、出向者が出向先で役員であった時は定期同額給与等の規定が適用されますのでご注意ください。