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【不動産売買契約書の内容で仕入税額控除(還付)が変わる!?】2021.07.19

 

不動産売買契約書内容で仕入税額控除(還付)変わる!?

不動産取引の中で建物の取得費は、消費税の税額計算に多大なる影響があります。
それに関する取扱いや留意点を確認したいと思います。

そこで一番気を付けなければならないものが「不動産の取得の時期」です。

特に「決算期を跨ぐ」ものについては、仕入税額控除(還付)の判断が分かれます。
例えば下記の図の場合

5月31日が契約日、決算日が7月31日、引渡しが9月30日の場合、

取得日が5月31日だと、7月31日の決算で仕入税額控除(還付)となります。
取得日が9月30日だと、翌期の決算で仕入税額控除(還付)となります。


そのため、仕入税額控除(還付)の計算に多大な影響があります。


そこで、不動産の取得の時期を整理すると、まず、棚卸資産と固定資産で取扱いが異なってきます。


【土地・建物】
 原則・・・棚卸資産及び固定資産ともに「物件の引渡しがあった日」
      ※引渡し日が明らかでない場合に次に掲げる日のうちいずれか早い日
       ①代金のおおむね50%以上を収受するに至った日
       ②所有権移転登記の申請日(必要書類の相手方への交付日を含む)
 特例・・・固定資産のみ「譲渡に関する契約の効力発生日」(消基通9-1-1-13ただし書あり)

【過去の判決事例 H31年 東京地裁 TAINS Z888-2244】
消費税法基本通達9-1-13について、
「消費税法の解釈に基づき、契約において固定資産に係る権利(所有権)の移転の時期を定めているときは
 これによることを定めたものである」と解される判決が出ております。
 つまり、
 「売買契約においては、契約締結日をもって所有権を移転する旨の明示的な合意がされているか?」
 で、あります。
もし、売買契約書にその旨記載があれば、契約日が取得日となります。
※最終的には契約書と実態(固定資産税等の負担区分、不動産収益の帰属区分、契約締結後の経緯等)も判断材料となります。

よって、仕入税額控除(還付)で納税資金の準備なども考えると、慎重な判断が必要となりますので、
不動産売買契約書等の作成時には、消費税の仕入税額控除(還付)時期等にも充分気を付けて作成する必要があります。