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二世帯住宅の場合の「相続税の小規模宅地等の評価減の特例」の適用要件が緩和されます2013.07.24
先月のブログで、「相続税の小規模宅地等の評価減の特例」について、紹介させていただきました。
亡くなった方が住んでいた自宅の土地や、仕事に使っていた土地については、相続税の計算時の評価(財産の価額)を、最大80%減額します(注)、という特例です。
自宅のケースについて、
先月の「老人ホームに入居した場合」に引き続き、
今月は、
「二世帯住宅に居住していた場合」を紹介します。
自宅の場合、特例の適用をうけるためには、「同居」が要件となります。(注)
では、
2階建て二世帯住宅で、
プライバシー重視のために内階段を設けず、
建物内部で自由に行き来することができず、
外階段で1階と2階を行き来するような構造の建物に住んでいた場合は、
「同居」しているといえるのでしょうか?
このような二世帯住宅の1階部分に被相続人とその配偶者が住んでおり、
2階部分に長男夫婦が住んでいるようなケースで、
長男がこの敷地を相続した場合の小規模宅地等の評価減の特例の適用について、要件が緩和されます。
改正前:
構造上、内階段がなく、完全に区分され独立した1階部分に被相続人が住んでいた場合、
2階に住む長男は同居していたとは認められず、特例の適用を受けることができませんでした。
改正後:
2階に住む長男がこの敷地を取得した場合についても、被相続人と「同居していた」ものとみなし、
1階、2階に対応する敷地全体が小規模宅地等の評価減の特例の適用対象となります。
内階段要件が撤廃されたことで、二世帯住宅であれば、構造上の区分があっても、それが上下であっても左右であっても、その敷地は、特例の適用対象に該当することとなりました。
住宅事情、高齢化社会の現状に即した柔軟な対応といえます。
この改正は、平成26年1月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。
(注)
自宅の場合は、配偶者又は同居していた家族の方が(同居者がいないときは別居の親族でもOKなケースもあります)、
仕事用の場合は、事業を引き継いだ家族の方が、それぞれその土地を相続する必要があります。
土地について、面積制限があります。
住宅用は現行240㎡まで(平成27年1月1日以後は330㎡に拡充)
仕事用は400㎡又は200㎡まで
自宅用、仕事用ともに、適用要件は、この他にも複数あります。
詳細は当事務所にご相談ください。