コラム『所長の眼鏡』

お~いお茶はなぜ売れたのか2021.10.01

 

伊藤園の『お~いお茶』を知らない人はいないでしょう。

今では業界販売実績世界一位を記録し、ギネス記録にも認定されている大ヒット商品です。

そんな『お~いお茶』も、実は販売から4年間は全く売れていませんでした。

 

開発までにかかった時間は、10年。

社運をかけて発売したのに全く売り上げが伸びない…。

いったいなぜ売れないのか、販売側も理由が全く分かっていませんでした。

 

「商品には自信があるのに…」「もしこのままお客さんが買ってくれなかったら…」

販売チームは、来る日も来る日も悩み続けました。

そして、ある1つの結論にたどり着きます。

 

-商品の良さが伝わっていない-

 

普通、これだけ売れなければ、「商品が悪い…」と考えてもおかしくはありません。

「この商品は売れない」と判断して、販売中止になるはずです。

しかし、伊藤園の販売チームは、そうはしませんでした。

その代わりに、ある1つの小さな変更を加えることにしたのです。

 

 

 

ところが、小さな変更を加えた途端、今まで売れなかったのが嘘のように、どんどん売れていったのです。

「お~いお茶」は、「ある部分」を変えてから、初年度だけで売上が6倍の40億円になったのです。

伊藤園の販売チームは、当時をこう振り返ります。

「市場調査をした結果、この商品は、「商品名」に大きな問題を抱えていることが分かりました。

みんな『缶入り煎茶』と言っても、どんな味のお茶か想像できなかったようです…」

 

そう、伊藤園の販売チームが変えたことは、商品名。

もともと「缶入り煎茶」という名前で販売していたお茶を、「お〜いお茶」という名前に変えて、販売することにしたのです。

商品そのものは変えずに、商品名を変えることで、大ヒット商品へと生まれ変わらせたのです。

 

この話は、私たちにとても大切なことを教えてくれます。

つまり、どんなに良い商品でも、伝え方次第で結果が大きく変わるということです。

ほとんどの人は、「良い商品を作れば売れる」と思ってしまいがちです。

そして、もっと良い商品を、もっと良いサービスを作ろうと、一生懸命がんばっています。

もちろん、良い商品を作ることはとても大切なことですが、結果を大きく変えるのは、その良い商品をどうやって伝えるか?

つまり、売り方、マーケティングです。

 

 他にも、小林製薬の「のどぬ~るスプレー」なんかもそのいい例です。

この商品が発売された1990年頃には、喉の痛みに効く市販の治療薬でコレといった商品はなかったのですが、いつ使う商品なのかが

分かりやすく・覚えやすい商品名ということで、瞬く間に大ヒット商品になっています。

 

 今年流行ったのは、「わらび餅は、飲み物です。」

3坪の小さな和菓子屋に大行列ができたり、タピオカの次は「わらび餅ドリンク」と全国に広がりを見せています。

とうとう9月1日からはファミマで『わらびもちは飲みものです。』が発売され、飲む前に30回かき混ぜるのがポイントだそうです。笑

 

 

 

優秀な人ほど、「もっと良い商品・もっと良いサービス」を追求します。

それはもちろん素晴らしいことです。

しかし少し視点を変えて、「どうやって伝えたら、この商品の価値を伝えられるのか?」ということを考えてみると、

商品やサービスは、もっと売れるようになるかもしれません。