コラム『所長の眼鏡』
この壺はいっぱいか?2020.02.01
先日面白い話を聞きました。
ある大学の授業で、哲学の教授は何も言わずに壺を取り出し、石を詰めていきます。
壺が一杯になると、教授は学生に聞きました。「この壺はいっぱいか?」すると、学生たちは「はい」と答えます。
教授は微笑み、そして砂利の入った袋を取り出して砂利を壺に流し込み、石と石の隙間を埋めていきます。
壺が満杯になると、教授は再び学生に尋ねます。
「この壺はいっぱいか?」学生たちは「はい」と答えます。
教授は再び微笑み、今度は砂の入った袋を取り出して、その砂を石と砂利の隙間に流し込み終えると、教授はもう一度学生に聞きます。
「この壺はいっぱいか?」学生は笑って「はい、壺はもういっぱいです」と答えます。
教授は再び笑みを浮かべると、ビールを2缶取り出して壺に注ぎました。
壺はとうとう満杯になり、教授はもう一度質問を投げかけました。
「この壺はいっぱいかな?」学生たちは笑いながら大声で「はい!」と答えました。
すると、教授は「さて、この壺は君たちの人生だと考えてほしい。石は、君たちの人生において一番大事なものだ。
それは健康であり、家族であり、素晴らしい友人である。
これらはとても大事なので、ほかのすべてを失ったとしても、君たちの人生はまだ満たされている。
砂利は、私たちの人生に入り込んでくる大切なものだ。
それは学問や仕事、家や車、そしてすべての物質的なものだ。
もし砂利を先に壺に入れてしまうと、そこには石が入る余地はなくなってしまう。
砂は、人生において小さなこと、些細なことだ。
もし砂を先に壺に入れてしまうと、そこには石や砂利が入る余地はなくなってしまう。
壺は君たちの人生だ。
もし君たちが時間とエネルギーを些細なことに浪費してしまうと、本当に大事なことに使う時間は永遠に失われてしまう。
だから、よくよく考えて「何が」「誰が」人生で一番大事か決めなさい。
両親と話をし、子どもと遊び、結婚生活を楽しみ、自分の健康を気遣い、友人とも時間を過ごしなさい。
学習や仕事、あるいは車を修理する時間なんてものは、いくらでもある。
一番大事な石を、一番最初に壺に入れなさい。正しく優先順位をつけなさい」
学生たちを静寂が包みました。
そのとき学生の1人が「それで、ビールは?」と尋ねると、
教授は「聞いてくれてありがとう。いいかい、どんなに生活がいっぱいいっぱいでも、どんなに忙しくても、
ビールを飲むくらいの時間はあるってことさ。乾杯!!」と答えました。
さて、皆さんにとっての「石」はなんですか?
そして、皆さんの経営にとっての「石」はなんですか?
ヒト、モノ、カネ、情報と言いますが、やはり人がいないと経営はできません。
働き方改革が声高に叫ばれ、環境整備もしなければなりません。
そのためには、お金が必要になります。
そんなことを考えていると壁にぶち当たります。
やはり、きちんとした経営理念があり、そこがブレなければ、そこからさまざまな目標を立てることができるでしょう。
今年も早や1か月が過ぎました。
2020年が素晴らしい1年になるように、壺に「石」を入れ、「砂利」を入れ、ゆっくり「ビール」を飲めるようにしたいものです。