コラム『所長の眼鏡』

1円起業2005.07.01

 

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今年の4月から月イチで東京へ出張しています。経済アナリストの藤原直哉先生が塾長の「藤原塾」というリーダーシップ研修に参加するためです。半年間ですが、21世紀リーダーの養成ということで、思い切って参加することにしました。何も大それたことは考えていませんが、せめてこれからの世の中の落ちこぼれにならないように頑張って出席しています。

私にとっては研修に参加することもそうですが、毎月東京に行くだけでも新鮮で楽しい限りです。朝5時半に起きて7時頃の新幹線に乗りますが、常に満席です。東京には何かしら人を引き寄せる魅力があるのでしょうか。それとも私が単なる田舎者なんでしょうか。新幹線が品川駅を出て東京駅に着くまでの間に、何か少し賢くなったような気がします。(相当の田舎者です・・・(-_-;))

先月の帰りの新幹線でのこと。通路を挟んだ隣に、40代の女性3人組が座っていました。何か嫌な予感がしました・・・すると、そのうちの1人が「今、1円で会社作れるようになってんて。びっくりしたわ!私、会社作って事業計画作って何かやろうかなぁ。」と言い出しました。何をやるか決まってないのに事業計画は作れませんよ、とツッコミたくなりましたが、もう1人が「そんな甘ないで~」と言うと、「大丈夫!命までは取られへんねんから!」と大阪弁丸出しで話していました。

確かに商法が改正され株式会社の最低資本金が撤廃されます。戦後増え続けた起業率が低下してきており、政府としても苦肉の策と思われますが、企業活動というのはこれからどうなっていくのでしょうか。夢や希望、商売のイロハ、ノウハウ・・・何も分からなくても1円と登記費用さえあれば、とりあえず会社を設立することができます。
多くの若者や定年を迎えるサラリーマン、新幹線でお会いしたような女性が会社を設立し、今ある企業のライバルとなっていくのでしょうか。

一方、世の中はフリーターやニートが問題となり、夜の繁華街では弾き語りをする若者に多くの若者が延々と群がって聴いています。この若者達が消費者となり、あるいは社員として入社してくるのです。
いつの時代もそうですが、時代を見据え、将来を見据えた経営が必要です。本当に難しいですよね。

平素は「クリエイティブ」をご愛読頂きましてありがとうございます。「クリエイティブ」は、当事務所の女性所員数名が、心をこめて毎月皆様へお届けしていますが、今月から私もペンを取ることにしました。