コラム『所長の眼鏡』
人間は可能性のないことには迷わない
2014年がスタートしました。
今年は2月にソチ五輪、6月にサッカーW杯がありますので、スポーツは盛り上がること間違いなしですね。
アメリカでは9.11で崩壊したニューヨーク・ワールドトレードセンターの跡地に「1ワールドトレードセンター」が完成予定で、高さはアメリカ独立の1,776年にちなんで1,776フィート、約541mだそうです。
あべのハルカス(300m)も3月にグランドオープンですが、桁違いですね。
身近なところでは、Windows XPのサポートが4月9日で終了します。
まだXPを利用されている方は、早めに買い換えた方が良さそうです。
そして、今年はなんといっても消費税増税です。
これから3月末までの間に、値札、メニュー、カタログ等の表示を変更しなければなりませんし、レジや会計ソフト等のバージョンアップもしなければなりません。
その結果、景気が良くなればいいのですが、家計が圧迫されるので、一旦消費は落ち込むでしょう。
平成9年の5%への引き上げ時には、そごう、ダイエー、マイカルと大手小売企業がもともとの超借金体質が足かせとなり、次々と破綻に追いやられました。
そのことを頭に入れて取引していかなければなりません。
初代内閣安全保障室長の佐々淳行氏は、
「危機管理の要諦は、最も悲観的に準備して最も楽観的に対応すること。
最悪なのは、楽観的に準備して悲観的に対応すること」
と仰っています。経営も同じです。
昔は、売り手は買い手よりも圧倒的に知識や情報で勝っていて、圧倒的に売り手が有利に商売を進めることができました。
それが今では、インターネットの普及によって買い手が持つ情報は、売り手に負けないどころか、それをしのぐほどになっています。
専門店や百貨店で商品と値段を見て、実際に買うのは一番安く買えるネットのお店、という消費パターンは今では当たり前で、売り手の対応に不満があれば、あっという間にそれが口コミで広がってしまいます。
明らかに売り手と買い手のパワーバランスが逆転してしまったのです。
さらに、今やモノがあふれる時代。
例えば、1日に出版される新刊は200冊もあります。
消費者にはたくさんの選択肢が与えられ、これにITとグローバル化が拍車をかけ、消費者の選択肢はさらに増え、競争が激化していきます。
その結果、価格はどんどん安くなり、せっかく苦労しても、次々に新しい商品が登場し、あっという間に売れなくなってしまうのです。
とはいっても、我々はこの競争に勝ち残っていかなければなりません。
チャレンジしなければ生き残れない時代です。
皆さんも今年の目標を立てられたことと思います。
「人間は可能性のないことには迷わない」
と何かの本で読んだことがあります。
例えば、私が、「プロ野球選手になれるか?」とは迷わないわけです。
なぜなら、その可能性は0%だからです。
「0%ではないでしょ」という反論が聞こえてきそうですが、残念ながらこれは0%です。笑
逆に言えば、0.1%でも可能性があれば、人間は迷うのです。
できるかどうか迷い、やめようかとも思う。
しかし、「迷う=できる可能性がある」ということです。
楽観的ではなく、悲観的に準備をし、一定期間は苦しいかもしれませんが、「やってよかった!」と言える新たなチャレンジをしていきましょう。