コラム『所長の眼鏡』

コロンブスの卵2014.05.01

 

消費税が8%になって1か月が過ぎました。

個人的な消費では、まだ実感としてはそれほどでもないかもしれません。

会社の支払いも今は5%と8%が混在していますので、実感よりも混乱しているのではないでしょうか。

やはり実感として表れてくるのは、消費税を納めるときでしょう。


5%から8%というと、その差はたったの3%です。

すなわち、今まで100万円納めていた会社は160万円、1,000万円納めていた会社は1,600万円納める計算になります。

また予定納税をしていると安心していても、予定納税は前年の5%のときの申告額が基準になります。

いざ残りの分を払おうというときは8%の申告ですので、くれぐれも運転資金として使わず、別途積立預金を多めにして納税準備をしてください。

こうなってくると、資金的に体力のない会社は本当に厳しくなってきます。

粗利の高い商売をしないと、いつまでたっても資金繰りに苦労することになります。

努力だけではどうにもならず、ますます知恵の勝負になってきますが、それには一瞬の閃きと行動する勇気が必要です。


皆さんもご存知の「コロンブスの卵」という逸話があります。

コロンブスの卵

コロンブスは「新大陸発見」を祝う凱旋パーティで、

「単に海を西へ進んだだけじゃないか。そんなもの誰にでもできる」と成功を妬む人々に対して、

「このゆで卵を縦に立ててみてください」と言い、誰もできなかった後に、殻を割って立てて見せたのです。

するとまたもや「それなら誰でもできる」という反論にあい、

コロンブスは「そうです。誰にでもできる。しかしそんな誰にでもできることでも最初にやろうとすれば閃きと勇気が必要。私の航海も同じことなのです」と言って、最初に物事を実行するのは難しいということを証明して見せたというあまりにも有名な逸話です。


確かに、これを最初に食べた人はすごいなという食材もそうですし、これを考えた人はすごいなという商品は世の中にあふれています。

しかし、これを食べてみたい!こんな物が欲しい!新大陸を発見したい!と、まずはそれを望まなければ手に入らないということでしょう。

しかし、そんなコロンブスもこの時が最盛期で、その後先住民族に対し、「彼らは素晴らしい奴隷になるだろう」と残虐行為を繰り返したあげく大虐殺し、最終的に転落人生を送ります。

職業も「探検家、奴隷商人」とされています。

自分の転落人生までは見えていなかったのでしょう。

しかも、コロンブスの死後、地図には発見者としてコロンブスではなく、アメリゴ・ヴェスプッチの名前が記されてしまい、その結果「アメリカ」と呼ばれるようになったのです。

もっとも、コロンブス自身も死ぬまでアメリカ大陸をアジアだと誤認しており、コロンブスの功績がなぜ新大陸発見なのか、歴史を紐解くと話が壮大すぎて訳が分からなくなります。


ちなみに、「卵が先か、鶏が先か」というのもコロンブスが航海中に考えたことだそうですが、コロンブスはよっぽど卵が好きだったんでしょうね。笑