コラム『所長の眼鏡』
うちわと壺と杖2014.10.01
ここに、「うちわ」と「壺」と「杖」があります。どれか欲しいものはありますか?
例えば、足が悪い人であれば、杖があったほうがいいでしょう。
しかし、余程のことがない限り、どれも今すぐに欲しいものではありません。
でも、もしこれが「左団扇」と「思う壺」と「転ばぬ先の杖」だとしたらどうでしょう。
どれも欲しいですよね。どれを持っていても百人力です。
この話は、あるお客様のパーティでスピーチされているのを聞いたのですが、まだ先があって、やっぱり一番欲しいのは「小槌」で、それは「打ち出の小槌」だと。
ここで会場がどっと沸くのですが、ドラえもんの「どこでもドア」や「タケコプター」と同じで夢のある話です。
しかし、残念ながら現実の社会にはそんな便利なものはありません。
すべて自分で努力してつかむしかないのです。
それにしても、最近世の中が荒れているなとつくづく感じます。
マスコミの報道やネットの影響も大きいと思いますが、特に朝日新聞はひどいもので、ついに朝日新聞の転落の物語が始まったと言われるほどです。
しかし、朝日新聞社だけでなく、どの新聞社も「大本営発表をそのまま伝えるだけ」という戦時中の姿勢と本質は全く変わっていないのでしょう。
原発の問題も、東電がメルトダウンの事実を認めておらず、毎日のように政府の発表をそのまま報道していたため、後になって東電が認めたからといって「今さら事実なんて書けない」ということです。
これでは、大本営発表をそのまま報道しておいて「今さらミッドウェー海戦以降は勝っていませんでしたとは書けない」というのと同じです。何十年か後に、『NHKスペシャル』のような番組になるのでしょうね。
そもそも真実を伝える気持ちがないのに、言論の自由や報道の自由といって世の中をかき回す。
さらには、コンプライアンスや個人情報、セクハラ、パワハラといった単語をまき散らして流行語にし、いかにも弱者の味方であるように振る舞うのです。
今や日本の社会は、これらの単語にしばられ、自由を失って硬直しています。まるで男性が冤罪にならないように、両手を挙げて満員電車に乗っているようなものです。
ある公園には、これでも公園か?というぐらい禁止事項が書かれています。
いつからこんなことになってしまったのでしょう。
では、ビジネスの現場ではどうでしょう。事実に基づかない情報は、まず正しい判断ができません。
さらに、コンプライアンスや個人情報保護法などに囚われていると、本来の前向きな活動の足を引っ張られてしまいます。
まさに時代の波に飲み込まれ、上手に経営をしているライバルの「思う壺」です。
そうならないためにも、「転ばぬ先の杖」として、社員教育と外部ブレーン、そして何より、内部留保と潤沢な資金が必要となってきます。
それがあって初めて、儲けのリズムが確立されていきます。儲けのリズムが確立されると、まさに「打ち出の小槌」です。将来は「左団扇」…といきたいところですが、世の中そんなに甘くはないですよね。
やはり、「商売は牛のよだれ」のごとく、細く長くコツコツとです。
「伝家の宝刀」や「鬼に金棒」でもあればいいのですが、「棚からぼた餅」のような運任せなんて考えていたら「一寸先は闇」です(^^;)