コラム『所長の眼鏡』
選挙とキャッチコピー2015.01.01
2015年がスタートしました。年末年始に目標を立て、期待と不安が入り混じってのスタートでしょう。
年末には総選挙があり、予想通り自民党の圧勝となりました。
しかし、日経平均株価の上昇は危機の前兆かもしれません。なぜなら、株価が上昇する正当な理由がないからです。
上がっているのは日経225や日経400といったインデックス銘柄で、これは完全に作られたマーケットであり、官製相場になっています。すなわち、実体経済と株価の差は、どんどん大きくなっているのです。
さらに、円安もここまで進むと深刻です。
さらに、安倍政権の消費税再増税の先送りを受けて、米格付け会社ムーディーズは、日本国債の引き下げを発表し、国債を大量に保有する金融機関の格付けも引き下げられました。
このような状況で、財政健全化はかなり難しいでしょう。誰が考えても歳出を減らし、増税するしか方法はありません。
にもかかわらず、たった2%の増税すら先送りするのが今の政治家です。
今回、無風状態と言われた総選挙ですが、皆さんはどんな印象を受けましたか?
私は経営にも通ずる2つのヒントを感じました。
1つ目は各政党のキャッチコピー、2つ目は選挙演説です。
まず、キャッチコピーとは自分や商品などをアピールするためのものです。
ちなみに、自民党「景気回復、この道しかない」、
公明党「今こそ軽減税率の実現へ」、
民主党「今こそ、流れを変える時」、
共産党「安倍政権の暴走ストップ!」、
維新の党「身を切る改革、実のある改革」、
生活の党「生活者本位の国」、
社民党「平和と福祉はやっぱり社民党」といった感じです。
笑ってはいけませんが、どれもピンときません。
吉野家の「旨い、安い、早い」はあまりにも有名ですが、
「お口の恋人」ロッテ、
「24時間戦えますか?」リゲイン、
「マチのほっとステーション」ローソン、
「100人乗ってもだいじょーぶ!」イナバ物置、
これらは一度聞いたら忘れませんし、会社名も必要ないくらいです。
ちょっと違ったところで最近印象に残っているのは、「残念ながら、ドモホルンリンクルは初めての方にはお売りすることは出来ません」です。
「えっ!じゃあどうやって買うの!?」って、必ずそう思ってしまいます。
皆さん、いかがですか?
もう一つは、選挙演説です。
とくに駅前などでの街頭演説は、何を言いたいのか全くわかりません。おそらく話しは上手ですし、情熱も持たれています。
しかし、私には理解できません。
答えは簡単です。
私が聞こうとしていないからです。
皆さん、目的は電車に乗るため、家に帰るためなのです。それを長々と抽象的なことをまくし立てたところで、誰も聞いてくれないのです。
短く、具体的に、そして興味のある話をしないといけないのです。
これもキャッチコピーと同じですよね。無風状態は、政治家が作り出しているのです。
このままでは、沈みゆくタイタニック号で商売をしているようなものです。
そうならないためにも、中小企業が日本経済を引っ張っていかなければなりません。
モノがあふれ、便利になり、低欲望社会が蔓延している今の日本、私は趣味で山登りをしていますが、新年にあたり、坂の上の雲を見て進む精神が今こそ必要だと思っています。