コラム『所長の眼鏡』

マイナンバー、ストレスチェック、年次有給休暇取得の義務化

 もうご存知の方も多いと思いますが、マイナンバー制度が来年1月から本格稼働するため、今年の10月より各個人にマイナンバーが配布されます。 これにより、納税はもちろん社会保険の加入を逃れていた企業も個人も、所得が明らかにされ言い逃れができなくなります。 また、国民年金の納入率が60%を切り、社会保険未加入事業者が80万社を超えている現状、より調査が厳しくなることが予想されます。
さらに、今年の12月から従業員50人以上のすべての事業場にストレスチェックの実施が義務付けられますし、来年の4月からはすべての企業に年次有給休暇5日取得が義務付けられます。 ストレスチェック義務化の背景には、年間自殺者数の増加や精神障害等の労災補償状況の増加が挙げられ、会社は医師または保健師等による労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査を実施しなければなりません。 また、有給消化については黒船来航と揶揄されていますが、夏休みやゴールデンウィークに大型連休を確保しやすくなるという一方で、仕事がたまるだけ、シフトのやりくりが大変…という意見もあり、果たして人々の働き方は変わるのでしょうか?
いずれにしても、企業からすれば負担が増えることばかりで、厚生労働省は企業のストレスチェックについてはどのように考えているのでしょうか。 戦国時代、明治維新、戦後…ストレスチェックなんかしました? 戦場で有給休暇なんてありました? 先日、何かのテレビ番組で観ましたが、絵文字付きで「今日休みまーす」とLINEで上司に連絡してきたり、「スマホの充電が切れそうなので早退します」とか平気で言う社員がいるそうで衝撃を受けました。 もともと勤勉な農耕民族である我が国に欧米型を取り入れると、わがままな若者がどんどん増えていくような気がしてなりませんが、私の考えが古いのでしょうか…(^^;)
アメリカの人事コンサルタント会社ケネクサは、「日本の社員のやる気が世界で最も低い」という調査結果を発表しました。 1位インドはもちろんのこと、ブービーの韓国にすら大きく差をつけられています。KHPI
ここには非常に大きな原因が隠されているのですが、皆さんは日本の企業が大学生に最も求めている能力をご存知ですか? 答えは「コミュニケーション能力」です。新卒の採用基準として、9年連続で「コミュニケーション能力」が圧倒的1位を取り続けているのです。 もちろん、コミュニケーション能力は間違いなく必要な能力です。 しかしその裏側で、部下や後輩を持ったときにビジョンを示せない、仕事を任されたときに、自分で考えられないという悩みが多く生まれているのです。
日産のカルロス・ゴーン氏は、日産自動車の社長に就任した際に、日産の社員には驚くべき能力があったそうです。 それは、「できない理由」を20ほど並べるのが非常に上手だったと。 それに対して、ゴーン氏が「その問題をどう解決すれば良いと思う?」と聞いても、答えは返ってこなかったそうです。 当時の日産は、どうやって難局を乗り切るかではなく、なぜできないかを説明できる人材がそろっていたのです。 しかし、外資ではよほどのことがない限り、できない理由は通用しません。 働き方だけを欧米型にしても日本の良さは失われるばかりです。