コラム『所長の眼鏡』

今年はクラウド元年2015.08.01

 あなたはすき家やワタミのような大手チェーン店と個人経営のお店が競争したら、どちらが勝つと思いますか?
普通は大手が勝つと思いがちですが、ホリエモンこと堀江貴文氏に言わせると、今は外部環境が変わったせいで逆転現象が起きていると言います。 昔は「どこのお店に行くかってなったときに、とりあえずワタミに入っておくか」となっていた。 ところが、最近は「食べログ」のようなアプリが出てきたおかげで、個人経営の知名度がないお店でも評判さえよければ広く知れ渡るようになったのです。 実は、大手チェーン店よりも安くて美味しいお店は昔からたくさんあるわけで、スマホとアプリの普及を機に競争のルールがガラッと変わったのです。
では「大手チェーン店はより安さを追求すれば個人店に顧客を奪われないで済むか?」というと、それは構造的に不可能です。 なぜなら、店主や家族が働いている個人経営店では、「最低賃金」という概念がない無敵モードだからです。労働基準法という制限が課せられた大手チェーン店では、どうしてもコストカットに限界があり競争には勝てなくなってきたのです。 このように、格安チェーン店は従業員を酷使しているというネガティブなイメージがついてしまい、社会からは有り難くもない「ブラック企業」というレッテルを勝手に張られ、叩かれるようになってしまったのです。
時代の変化に対応できないと、いかに大企業といえども淘汰されてしまうということですが、その大きな要因はやはり「ITビジネス」です。 「楽天」Amazonなどのネットショッピング、「食べログ」などの検索サイトは皆さんもご存じで利用されている方も多いと思いますが、最近ビジネスで注目されているのが日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」です。 クラウドワークス 今年は「クラウド元年」と言われていますが、例えば名刺を作るとします。 このサイトを見れば、たくさんの会社が「いくらでしますよ!」と名乗り出てくれます。 そこで気に入った会社を選べばいいだけで、受注する会社も「ちょうど印刷機が空いている時期だから安くても受注しよう!」となるわけです。
また、会社のロゴを作りたいと思ったとき、デザイナーの知り合いもいないし、いくらぐらいかかるものかわからない… そんな時、このサイトで数万円でめちゃくちゃかっこいいロゴが作ってもらえるのです。
実績のあるプロに依頼ができるので、安心でどこよりも早くそしてリーズナブルです。 ホームページの作成やアプリ・ウェブ開発やロゴ・チラシ作成、ライティングなど、幅広い仕事がネット上で売買されています。 ITは使う側にとっては非常に便利で有益な情報ですが、それによって損害を被っている人や企業が多いのもまた事実です。 しかし、ITは避けては通れません。 いまだに頑なな人も見かけますが、目を背けているとそのうち情報すら入ってこなくなってしまうでしょう。
「本は実際に手に取って、はじめにを読んでみないと買わない」と言っていた人が、 今では「Amazonで買いすぎて読みきれない」と言っています。
「行ったこともない店は入りづらいし、美味しくなかったら嫌だし」と言ってた人も、 今では「初めてでも常連のように行ける」と言うようになるのです。
寒い日に、「スマホ一つで外出先からお風呂を沸かすことができるようになる」という情報に対し、 「おふろの栓を閉めとかなアカンやろ?」って屁理屈を言う人は、アナログ人間ですまなくなる日が来るかもしれません。 それが証拠に、ブラウン管テレビは世の中から姿を消したのです。