コラム『所長の眼鏡』

放置違反駐車2006.06.01

 

先月号でも少し触れましたが、今日6月1日より「改正道路交通法」が施行されます。
これは、我々の生活に大きく影響する法律なので、皆さんも関心が高いのではないでしょうか。

特に、ドライバーであれば頭が痛い限りで、放置違反駐車の取締りが厳しくなります。詳しく見ると…、
1.放置違反取締りを民間に委託する。
2.放置違反を見つけた場合は、即座に違反とする。
3.運転者が特定できない場合は、責任が所有者側に行き、所有者が反則金の支払いをしなくてはならない。その場合、運転者が特定できないため、減点は無い。
4.運転者が特定できる場合は、運転者が減点され、反則金を支払う。
5.特定地域を設け、取締りを強化する。
6.特に運送会社関係に厳しくする。
7.放置車両とは、時間の長短にかかわらず、運転者が車両を離れ、直ちに運転できない状態をいう。

ここでよく分からないのが、3と4で、違反した人が「私は違反者です」と正直に出頭した場合は、反則金と点数を引かれますが、1ヶ月ほど出頭せずに放置しておいて、警察から所有者に支払い命令が来てからその違反金を支払えば、減点されることも無く終了するというシステムになっています。
つまり、正直に出頭しなくてもカネさえ払えばいいという法律です。こんな制度で出頭する人なんているのでしょうか?
国会では3割の人が出頭すると踏んでいるそうですが、その数字もいい加減でしょうし、逆に、3割でいいと考えるのが全く理解できません。

ただ、何度違反しても減点がないということでは効果がないとあって、半年に3回以上放置違反金を払った車には、20日間の車の使用制限がかかります。
車検が通らないということもありますが、いずれにせよ、運転者に罰金以外のペナルティがないというおかしな法律になっています。

違反者 「ごめん。お前から借りた車で、駐禁やられた!」
持ち主 「そんなん、お前が違反したんやから、お前が出頭してキップ切られてこいよ!」
違反者 「せやけど、俺いまゴールドやねん!悪いけど、違反金15000円とメシおごるから!」
持ち主 「しゃーないな」
となるわけです。

しかも、このやり取りは、免停の講習で教えられているようです。運送会社や引越業者では、できる限りの対応をし、やむを得ない場合は、原価としてお客様に跳ね返ると言っています。
取締り重点路線は、警視庁のHP(http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20060508/116546/index2.shtml)で発表されていますので、是非一度ご覧ください。ちなみに、当事務所の前の南港通りは重点路線になっていました。
車で来所される際には、地下に2台スペースを設けていますので、ご利用ください。