コラム『所長の眼鏡』

英EU離脱の影響は!?2016.07.01

 この1カ月、様々なニュースが世界中を駆け巡りました。 つい一月前にG7の首脳が伊勢に集まり、伊勢志摩サミットが行われました。 世界中に神秘的な伊勢神宮が紹介され、日本人として誇らしかったのも束の間、4年後の五輪の開催地である東京都の都知事が、お金の問題で辞職。 なんとも恥ずかしいニュースでしたが、数日して英EU離脱のニュースです。正直驚きました。 もうすぐ参議院選挙もありますが、それどころではないですね。18歳以上に選挙権が与えられましたが、どのような結果になるのでしょう。
さて、英EU離脱のニュースにより、株式市場は世界的に暴落を開始、為替相場はポンドとユーロが下落して、ドル高・円高が進行しました。 とりわけ円は、投機筋から安定資産であると考えられていることから、ドルよりも買いが先行し、一時99円台まで急騰、大方予想されていた範囲内ですが、最悪のケースとなったわけです。 若い人ほど残留、年寄りほど離脱、そして最終結果は僅差という結果を目にして、なぜか大阪都構想の住民投票を思い出してしまいました。
今後のシナリオは全く読めませんが、イギリスが大変なのは間違いありません。 ロンドンは金融センターとしての地位は低下するでしょうし、ポンドもさらに下落するでしょう。 離脱派から首相が出るでしょうが、残留派の抵抗は激しいでしょうし、イギリスが分裂する可能性もあります。 オランダやギリシャ、イタリア、スペインはどうなるのか、これからイベントだらけになるかもしれません。 イギリスが孤立を深め、したたかな中国やロシアが急接近する可能性もあります。
では日本経済はどうなるのでしょうか。「円」は世界の投資家からリスクオフ資産として認められているため、世界経済で何かが起こると必ず円が買われます。 しかし、財務省とマスコミは相も変わらず国の財政危機を煽っていますし、何より日本は、自分で自分の国を守ることができない国です。 普通に考えたら「円」はリスクでしかないはずです。しかし現実は逆で、円はリスクオフ資産としてトップクラスの信用を誇っているのです。 したがって、当面、円高株安に見舞われ、円高不況が到来する恐れがあります。 安倍首相は伊勢志摩サミットで「リーマンショック級の不況が来る」と言って各国首脳からヒンシュクを買いましたが、今となっては、まるで預言者のようですね。
それにしても当のイギリスは、「大英帝国としての誇りがある」「他人にあれこれ言われたくない」と半ば狂気じみたことを言っています。 この考えが世界中をかき回すことは間違いありません。
数年前に、自分のシッポを食べてしまい、輪っかのようになってしまった蛇のニュースを思い出しました。
へび
あまりに空腹だったキングスネークは、自分のシッポを他の動物と間違えて襲い、そのまま飲み込もうとしたのです。しかし、結構飲み込んでから「おかしい…」と思ったようで、急いで吐き出そうとしたものの、なかなか吐き出せません。 なぜなら、蛇の牙は反り返っており、捕らえた獲物を逃さない構造になっているのです。このままではどんどん自分の胃液が自分のシッポを消化してしまいます。 獣医に診てもらい事無きを得たそうですが、イギリスはこのキングスネークに思えてなりません。 離脱派もすでに後悔してるようで、大英帝国も「大航海時代」ならぬ「大後悔時代」に突入した模様です。