コラム『所長の眼鏡』

さぁ、あの世へ行ってらっしゃい2017.10.01

 もう嫌です。勘弁してください。どうして僕はこんな列に並んでいるんでしょうか。 何もしゃべれません。手が震えます。 ゾクゾクする…だんだん寒気がしてきました。

すぐ後ろの女の子が、泣きそうな顔をしています。 「嫌だ、嫌だ、怖い」「ねぇ、何回落ちるんだっけ?」 頼むからそういうことを近くで言わないでほしいです。 薄暗い建物の中。列が前へ進むにつれて、ますます暗く狭い場所へ。 「こちらへどうぞ!」一番後方の長椅子に着席。 「さぁ、あの世へ行ってらっしゃい!」

あれほど絶叫系は嫌いだと繰り返していたにもかかわらず…。隣の席のニコニコ顔。血の気が引き青ざめる僕。 生まれて初めてのフリーフォール。もう後戻りはできません。これまでの人生が走馬灯のように蘇る。 お父さん、お母さん、さようなら。何も親孝行できなくてごめんなさい。僕は今日、終止符を打つ…。 わあぁぁぁ!!きたぁぁぁ!!!急上昇!!!!! ・・・・・・ ・・・あれ? こわく・・・ない? ぜんぜんこわく・・・ない? 結構イケてる? おもしろい!!っていうか、楽しい!好き! なんかすごく気持ちいい!「もう一回乗ろう!」


…というわけで、いかにもフリーフォールに乗ったかのように書きましたが、私はいまだに乗ったことがありません。 これからも一生ないと思います(笑) しかし、このような思い切った行動は、目の前の障害を乗り越え、新たな可能性の扉を開きます。 「自分には無理だ、できない」 「今はまだタイミングじゃない」 「以前やってみたけどダメだった」 「うちの業界には関係ない」 そんなメンタルブロックが、自分自身やビジネスの成長スピードを遅くしてしまっているのかもしれません。

私も食べれないと思っていたサバを知らずに食べて、実は食わず嫌いなだけだったとか、30年間ゴルフを我流でしてきたけど、プロにちょっと習ったら、「あっそうやって打つの???」と今までの価値観がガラッと変わった経験があります。



フリーフォールは極端な例ですが、そもそもできないと決めつけていることはありませんか? では、ただ同じことを淡々と真面目に繰り返していればいいのでしょうか? サバだったら一生食べなくても問題ないでしょう。 ゴルフも万年同じぐらいのスコアでも問題ないでしょう。 しかし、ビジネスの場合、それでは職を失うかもしれません。 あっという間にAIやロボットに置き換えられてしまうかもしれません。 人間はできないことを、次から次へとできるようにならなければならないのです。 「今までにやったことがない」という理由は、自分は進歩したくないと言っているようなものです。

今の時代、現状維持は衰退しているのと同じです。 下りのエスカレーターに後ろ向きに乗っている自分を想像してみてください。 前を向いているつもりが、勝手に後ろ向きにしかも下がっていってしまいます。 うならないようにするためには、下りのエスカレーターを走って駆け上がらないといけませんね。