コラム『所長の眼鏡』

昭和のまま、これではいけません2018.06.01

 先月は日大アメフト部一色でした。 悪質な反則行為をめぐる問題で持ちきりでしたが、実際はありえない反則行為以上に、その後の日大の対応がもっとありえなくて、マスコミの格好の餌食でしたね。



スポーツにおける勝利至上主義や古い体質が問題視されていましたが、これは氷山の一角なのでしょう。 そして、この苦しい環境を潜り抜けてきた学生を、体力があり、素直で、根性がある、という理由で企業は欲しがります。 この会社で何をしたいか、ということは二の次でいいのです。 その結果、企業の論理も同じで、パワハラや売れればいいという論理が残ってしまっているのです。

今、伊集院静氏が書いた『琥珀の夢 上下 小説 鳥井信治郎』を読んでいますが、言わずと知れたサントリーの創業者の物語です。 あの松下幸之助が商いの師として敬愛した鳥井信治郎の戦いを読んでいると、日本も随分変わってしまったなと思わざるを得ません。

バブル崩壊後、よく失われた10年や20年という言葉が使われました。 貸し倒れの処理や、株式・不動産の下落による損失処理など、ようは不良債権処理に追われたのです。 よく「その教訓を生かして」と言っていましたが、今考えてみると、未来に向かって不良債権処理をしていたというより、とにかく損失を取り戻す、損失を埋め合わせるということに躍起になっていたように思います。 何が言いたいかというと、仕事のやり方が「昭和のまま」なのです。 Google、Apple、Amazonなどのアメリカ大手企業が2020年モードで仕事をしているのに、日本企業が1999年モードで仕事をしていては勝てるわけがありません。 ましてや中小企業は大手企業の言いなりにならないようにするために、もっと先を行かなければならないのに、依然として「昭和のまま」という会社が圧倒的に多いのです。

ビジネスの世界ではやはりアメリカが先進国で、アメリカの成功法則が少し遅れて海を渡るのです。 すなわち、輸入されているのです。 ビジネス書で「引き寄せの法則」や「思考は現実化する」などにコンサルタントが飛びつき、徐々に広まっていくのです。 たとえば、ノックは何回しますか?日本人はノックというと2回をイメージします。 しかし、マナーとしては3回、国際基準のマナーとしては4回とされているのです。 これが、まず就活のときに礼儀として教えられ広まっていきます。 しかし、2回で怒る人います?私はそういう考え方です。 しかし、それが昭和のままなのです。 一事が万事で、そういう細かなことから知ることが大事で、環境の変化に適応していかなければなりません。

日大の選手のプレーでいえば、アメリカであれほどのラフプレーであれば、1回目の反則で審判が一発退場にし、チームが所属するリーグ側が、チームの監督・ヘッドコーチに対して、多額の罰金や試合出場停止など厳しい処分が科されます。 3日以内にはケリがつくそうです。 今回のケースでは、1回目の反則で退場処分にしなかった審判にもっとフォーカスされてもよさそうなものですが、審判の報酬は、ほぼゼロ。 日当も交通費を含めて1試合数千円程度で、ほとんどが他の仕事をしながらボランティアで行っているようです。 大相撲、レスリング協会、学生アメフトと、なにやら「昭和のまま」の大人が問題のようです。