コラム『所長の眼鏡』

上げ潮はすべての船を持ち上げる

 

 

帝国データバンクが2021年1月6日に発表したデータによると、2020年における飲食店事業者の倒産は780件(過去最多)、負債規模は5,000万円未満が620件(全体の79.5%)となっており、小規模な飲食店が耐えられなかったことを示しています。

 

一方で、インターネット、つまりオンライン市場は本当に成長しています。

世界の小売市場は、2000年代中盤は4兆円規模でしたが、そこからたった15年ほどで、300兆円規模へと実に75倍の成長を遂げたのです。

途方もない量のお金がオンラインに降り注ぎ、なだれ込んでいます。

それは毎日、毎時間、毎分ずっと増え続けています。

 

例えば、アップルのアプリ市場(App Store)、2013年にアップルのアプリ市場は、ハリウッドを超えたと言われています。

当時でアップルのアプリ市場は1兆円。

なんとあの巨大な映画業界を超えたのです。

さらに2019年には、オンライン広告に使われたお金が、テレビCMに使われた金額を超えました。

つまり従来のオフラインに投じられていたお金を、オンラインの方が上回るようになったのです。

 

”上げ潮はすべての船を持ち上げる”-ジョン・F・ケネディ-

 

アメリカでとても人気のあったジョン・F・ケネディ大統領、彼はビジネスがお金を生み出し、豊かな人がもっと豊かになることについてこう言いました。

「上げ潮はすべての船を持ち上げる」と。

これは真理です。

上げ潮になると、すべての船が持ち上げられるのです。

 

今、この上げ潮の話はとても大事で、昨年コロナが蔓延し、緊急事態宣言が出されました。

それによって、人々の行動が激変し、普段人が買うもの・お金の使い方に変化が出てきているからです。

 

昨年、アパレル業界では店舗が閉鎖したことによって売上を下げているところが多いのですが、その中で、全店閉鎖にもかかわらず、売上をあげることに成功した会社があります。

それが、ジェラートピケです。

この会社は、素材にこだわったかわいい部屋着を販売しており、部屋の中でファッションを楽しむというコンセプトがあります。

全店閉鎖をしたときに、スタッフが着こなしをインスタグラムで積極的に発信したことで、それを見たお客さんがネットで買うようになり、その結果、売上が前年を上回ったそうです。

ネットの発信もそうですが、部屋着に着目していたことも大きいと思います。

 

飲食業界は、コロナで一気に打撃を受けた業界です。

そんな業界でも、うまくいっているのが焼肉店です。

焼肉業界では、常時換気が行われているため、感染リスクが低いと思われています。

驚いたのが、居酒屋のワタミが焼肉ワタミに変わるとのことです。

ここまで大きな方針転換をするのは驚きですが、上げ潮に乗ろうとしているのがよくわかります。

 

お客さんは、お金を使う気がなくなったわけではなく、今、社会や環境が激変しています。

お客さんの欲しいものやお金を使う道が変わっているだけです。

であれば、その欲しいものや使い道をいち早く察知し、売り方や商品をそっちに寄せ変えなければなりません。

ビジネス活動を自粛する必要はなく、工夫を凝らさなければならないのです。

皆さんが乗れるトレンド・上げ潮は何か?ぜひ、考えてみてください。