コラム『所長の眼鏡』

始めるのに遅すぎることはない2021.06.01

 

また緊急事態宣言が延長になりましたが、コロナによって生活も仕事も制限されてから早や1年以上が経ちます。

飲食業をはじめ、多くの事業者が休業を迫られ、新しい事業を模索されている方も多くおられるようです。

ただ、決断に踏み切るには難しい時期で、もっと言えば、行動に移すには非常に勇気のいる時期です。

一方で、このまま今の事業を続けていても・・・。

 

「始めるのに遅すぎる事はない」

この言葉は、ケンタッキーフライドチキンの創業者カーネルサンダースの言葉です。

白髭でメガネをかけたケンタッキーのマスコット的なキャラクターなので、皆さんご存知だと思います。

 

 

ケンタッキーと言えば、世界で初めてフランチャイズビジネスを始めた会社で、全世界125の国と地域で1万9952店舗を展開しています。

コロナ禍では、テイクアウトとドライブスルーが牽引し、売上高、営業利益は増収増益となっています。

 

カーネルサンダースがケンタッキーフライドチキンを始めたのが、なんと65歳!

世界でここまで成功したので、「始めるのに遅すぎる事はない」という言葉が広がっているわけです。

 

実は65歳から始めたと言っても、やりたくて始めたというよりも”やらざるをえなかった”状態だったのです。

というのも、以前経営していたガソリンスタンドは倒産。

その次のカフェは火災で焼失してしまい、さらに、当時の収入源は社会保障の105ドルだけ。

つまり、生きるために働く必要があったのです。

 

彼は、ガソリンスタンド時代からフライドチキンを作っていて、その時にチキンに使えるオリジナルスパイスを発明しました。

普通なら、そのスパイスを売ることを考えますが、彼はスパイスを売るのではなく、スパイスのレシピを教える代わりにチキンが売れたら5セントをもらう、というレシピの権利を販売したのです。

これがフランチャイズビジネスの始まりです。

 

彼は車1台で全米中を走り回り、レストランの厨房などでフライドチキンのノウハウを実演していました。

秘伝のチキンレシピをレストランに売り込んでフランチャイズを増やそうとしていたのですが、もちろん、最初からうまくいくはずもなく、フランチャイズビジネス自体が当時はなかったので当然断られます。

70歳近いおじいさんが、飛び込みでレストランに行って、レシピを教える代わりにチキンが売れたら5セントという条件を言ってくるわけですから、多くの人が断ります。

 

「NO!」「NO!」「NO!」「NO!」「NO!」・・・

 

言われた「NO!」の数は、なんと1009回。

なけなしの年金でガソリンを買い、出費を抑えるために車の後部座席で夜を過ごし、翌朝再び営業に行く。

そんな方法で営業を続けていました。

その努力の結果もあり、見事成功を収めて73歳のときには600店舗を超える規模まで拡大することに成功しました。

そして、今では世界で2万店舗ほどまでに成長しています。

 

80歳にしてエベレスト登頂に成功された三浦雄一郎さんは、

「人は周りの人と比べて若いとか、若くないとかいう話をしますが、周りと比べず自分だけで考えると、残りの人生で、今日が一番若い日です。だから、今日行動する」

と仰っていたのを思い出しました。

なかなか真似できませんが、見習いたい考え方です。