コラム『所長の眼鏡』

関サバはなぜブランドになったのか2021.11.01

 

「関サバ」って知っていますか?

大分県で水揚げされるサバですが、ブランドにもなっています。

一般的にスーパーで売られている普通のサバが298円なのに対して、関サバは大体2980円。

普通のサバと価格が10倍違うわけです。

この価格の違いは何から生まれているのでしょうか?

(私の母の出身が大分県ですが、父も母もなぜか、サバを食べなかったので私も好んでは食べませんでした。好きな人は好きですよね。)

 

 

普通サバは、大量の網でババっと捕まえて、締めて、出荷します。

それに対して、関サバは大分県の佐賀関で水揚げされます。

このあたりの海流はとても強く、その分、そこに生息するプランクトンが他の海よりも豊富だと言われています。

豊富な栄養素を食べたサバなわけですから、美味しさにより磨きがかかります。

 

でもそれだけではなく、関サバを捕まえるとき、網で一気に捕まえたら魚同士が衝突して傷ついてしまうので、そうならないために、一本釣りするんです。

一本釣りして、生きたまま、港に持ち帰るんですね。

さらに、お店が関サバを仕入れるときの競りも違います。普通は、重さなどを計測器に置いて決めますが、関サバの場合、水槽に泳いでいる姿を見て決めるという「面買い(つらがい)」をするんです。

そして、出荷の際には、1番新鮮さを保てると言われる「活け締め」という状態で出荷されます。

さらに、取扱店には、特別な認可が必要になります。

このように、私たちに届くまで、このような手間やストーリーを経ているのが、関サバなのです。

 

こう聞くと、値段が高いのも納得できるのではないでしょうか?

普通のサバより関サバの値段が高い理由は「お客さんに伝えている商品の情報量が違うから」で、他の魚よりも「美味しい」以外の情報量が、圧倒的に多いのです。

この話を聞いた後なら、普通のサバと関サバの値段の違いがあるのに、なんら違和感はないでしょう。

むしろ値段が同じだったら「もっと高く売ったほうがいいんじゃないですか?」と心配になるくらいです。

関サバを食べたことのない方でも、食べたことがないのに、同じことを考えられるんじゃないでしょうか?

食べたことがないのに、高くした方がいいと思えるって不思議に思いませんか?

 

「伝えている商品の情報量が違うこと」これが、価格を高くしても売れる理由です。

値段を下げざるを得ない、値下げを要求されてしまう、高い価格で売れないというのは、お客さんに対して商品の情報を伝えられていないからかもしれません。

 

関サバから学べることは、商品ができるまでの過程を伝えることです。

どのように作られているのか?どんなものが使われているか?他との違いは何か?など、こういった商品に関する情報を伝えれば伝えるほど、お客さんの「欲しい気持ち」を引き出すことができます。

商品に関する情報を聞いていくと、「その商品、めちゃめちゃ価値がありますね」となるのです。

 

でも、「こういう話って、お客さんに伝えているんですか?」と聞くと、ほとんどの答えが「いえ、伝えていません…」と返ってきます。

とても、もったいないですよね。

商品の情報を、お客さんに伝えれば伝えるほど、より価値があるものと認識してもらえます。

そのためには、こちらから商品に関する情報を伝えなければなりません。