コラム『所長の眼鏡』
ふるさと納税で特産品をもらおう!2014.09.01
2008年、前安倍政権のときに「ふるさと納税」制度が創設されました。
あれから6年、徐々に広まりをみせ、当事務所への質問も増えてきたことから、今回は「ふるさと納税」について取り上げたいと思います。
ふるさと納税は、自治体への寄附金のことで、個人が2,000円を超える寄付を行ったときに、確定申告をすれば、今納めている住民税を、自分が選んだ市町村へ移転することができるというわけです。
その人の年収によっても変わりますが、寄付した金額と近い金額の所得税と住民税が安くなるという計算です。
ただし、あくまでも税金が控除されるというものですので、そもそも自分が納めている所得税住民税より多い額を寄付しても控除はされません。
では、どれだけの実績があるのかというと、表にあるように、2011年の東日本大震災の翌年に爆発的に増えていることがわかります。
震災がきっかけで「ふるさと納税をしよう!」というよりも、この制度を使えば、東北に寄付することができると認知されたのでしょう。
さらに、この制度は「使い道」が選べるようになっており、「A町の震災復興に向けた○○の建築」や「B市の自然を守るための森林育成」など、様々な「使い道」を指定することができます。
すなわち、ふるさと納税といっても自分の生まれ故郷にする必要はありません。
「私は故郷がないんです。」「私は大阪出身なんです。」という方もまったく関係なくこの制度を利用することができるのです。
ここに目を付けたのが各自治体です。
ふるさと納税をしてくれた人に対して、それぞれの地域の記念品や特産品を贈呈している自治体が増えてきました。
なかには、都会で買うとかなり高価な海産物や果物がもらえる地域もあります。
このことがニュース等で取り上げられ、実際に送られてきた人たちの口コミもあって最近注目を浴びているのだと思います。
『ふるさとチョイス』http://www.furusato-tax.jp/というポータルサイトで詳しく紹介されていますので是非一度ご覧ください。
ここではランキングも紹介されており、1位は佐賀県玄海町で、真鯛や佐賀牛、野菜などの海と山の幸がもらえます。
2位は北海道上士幌町で、十勝ナイタイ和牛やジンギスカンセットなど、3位は鳥取県倉吉市で、お米やお水、梨やメロンが人気です。
ちなみに我が大阪市は、オリジナル記念通貨「太閤通宝」、大阪市立の美術館や博物館7ケ所の招待証がもらえます。
「太閤通宝」ってナニ?(^^;)
しかし、そもそも「税」という字は、「禾」(作物)を「兌」(はぎとる)と書きます。
つまり、1年の収穫を待ってはぎ取るのが「税」です。
それが地方税とはいえ、自治体がそれぞれの納税者に贈答品を贈るというのは画期的なことです。
2011年、長野県軽井沢町在住で東北3県に7億円の寄付をした人がいます。
そのため、軽井沢町はこの人からの本来の税収がなくなっただけでなく、7,900万円の還付をしなければならなくなりました。
このように、自治体にとって制度上の格差は生じますが、「地域」「特典」「使い道」を選べる「ふるさと納税」で、自分の税金を自分で選択するのもいいかもしれません。