コラム『所長の眼鏡』

なぜ婚約指輪は給料の3ヶ月分なのか2022.06.01

 

なんで婚約指輪と結婚指輪って別なんでしょうか。

1つでよくないですか?…と、まぁいきなり全女性を敵に回すような話をします。

指輪が結婚で使われたのは古代ローマ時代と言われ、日本に広まったのは大正・明治時代からと言われています。

今や、ダイヤの指輪を贈るのが慣習になっていますが、なぜ結婚するときに「ダイヤを贈る」のでしょうか?いわば、買うのが当たり前になっています。

20万円、40万円、100万…これだけの金額を当たり前のように払うようになったのって、すごいと思いませんか?

 

実は、1940年代、ダイヤを売っていた会社は頭を悩ませていました。

ダイヤモンドは実用的ではなく、人々は必要なもの以外はあまり積極的に買おうとしません。

世界的に広めたいと思っていたものの、全ての国が同じ文化や言語を使うわけではなく、馴染みがない国もあります。

ダイヤモンドを広めるには、この壁を取り払う必要があったのです。

しかも、単価は安くできません。

 

このダイヤモンドを取り仕切っていたのは「デビアスダイヤモンド社」。

ダイヤモンドを売るために、色々な手段や方法を考えました。

そこで、彼らはあるマーケティング手法を取ります。

イメージ戦略です。

 

デビアスは、ダイヤモンドをより多く流通させるために、「非常に傷がつきにくい」というその特徴から、婚約指輪にピッタリの「永遠と愛の象徴」と世界中に宣伝しました。

『ダイヤモンドは永遠に』『究極の愛のメッセージ』というフレーズは、このマーケティングが行われた1940年代に生まれたのです。

誰しも、愛を伝えます。

それは万国共通です。

彼らはその愛にダイヤモンドを結びつけるマーケティングをしたことで、一気に広げることに成功したのです。

なんと、婚約指輪にダイヤモンドを選ぶ人は1970年代に16%だったのが、1980年には70%以上になったそうで、今もそれが文化や風習になっています。

このマーケティングは大成功したと言っていいでしょう。

 

それだけではありません。

余計なことに、デビアスはテレビCMで「婚約指輪は給料の3ヶ月分」というキャッチコピーを配信しました。

このCMは1970年代に放映されたものですが、50年が経った今でも、婚約指輪は給料の3ヶ月分というイメージは残っていますよね?

ちなみに、指輪の値段は為替の影響からアメリカでは「1ヶ月分」ヨーロッパでは「2ヶ月分」日本では「3ヶ月分」に置き換えられたそうです。

現在、日本でよく言われる「婚約指輪は給料3ヶ月分」というイメージは、きっちりデビアスの戦略の名残りなんです笑。

 

私が驚いたのは、ダイヤモンドという商品は、元から売れていたものではなかったということです。

そして、売れるようになったのは、マーケティングによるものだったということです。

中小企業の場合、予算に限りがあるので多額の広告費をかけることはできませんが、イメージ戦略に似た「ポジショニング戦略」で、競合商品の中から自社商品を選んでもらう必要があります。

ポジショニング戦略を効果的に取り入れることで「〇〇といえば〇〇」というように、業界内でも優位な立ち位置を得ることができます。

そうすることで、会社は大きく飛躍する可能性があるのです。