コラム『所長の眼鏡』
願いを短冊に2007.12.01
先日、ある業界団体から「日経ベンチャー経営者倶楽部」という、日経BP社が運営する中小企業経営者向けビジネス情報サイトへの原稿依頼がありました。
この業界団体は「ビジネス会計人クラブ」といって、数年前に大阪で発足された会計人の団体です。実はその時の発起人の一人として当事務所の所長が名を連ねたことから、当事務所も発足当初より会員となっています。
原稿依頼のテーマは「企業防衛のための保険活用」ということでした。当事務所も保険の代理店を始めて10年近くになりますが、正直無理な保険の提案はしたことがなく、お客様にとって長い目で安心できるものしかお勧めしていません。当然のことといえば当然ですが、しかしその間、生活のかかった保険会社の外交員や、最近では銀行でも保険の販売ができるようになり、圧力をかけた保険契約を何度も目にしてきました。
そこで、このテーマの依頼をいただいた時に、すぐあるエッセイを思い出し掲載することにしたのです。
~願いを短冊に~
私には四歳になる娘がいます。
その娘が最近、文字を教えてほしいとせがむので簡単なものを教えました。
それから数日たったある日、娘の通う幼稚園の先生から電話がありました。
先生は七夕に飾る短冊に願い事をみんなに書かせたら私の娘は
「いいこにしますから、おとうさんをかえしてください。」と書いたそうです。
私は去年、交通事故で夫を亡くしています。
私はそれから、パートで仕事をはじめ、生活費の一部に充てています。
私の場合、夫が生命保険に入っていたので、なんとか生活できますが、 もし、夫が生命保険に入っていなかったらと考えると、ぞっとします。
夫は私にお金のありがたみを教えてくれました。
私はパートの帰りに娘を迎えに幼稚園へ行きました。
そこには、先生の言っていた七夕飾りがありました。
色とりどりの短冊を笹の葉に結んである竹は短冊の重みでしなっていました。
パパ、ありがとう。 わたしもあいたい。
私は一番目立つところに、夕べ書いた短冊を結びつけました。
「パパ、ありがとう。わたしもあいたい。」 (作者:伊藤由美さん)
これは2003年生命保険協会エッセイコンテスト最優秀賞に輝いた作品なのですが、私はこのエッセイを読んで感動し、まさに「これが保険の原点だ」と思いました。この将来の資金面での不安を取り除いてくれるのが保険の原点だとすれば、企業防衛にも同じことが言えます。そして同時に、保険は資金が苦しいからこそ加入しておかなければならないものでもあるのです。
相続対策、節税対策、退職金積立、生活設計・・・もし、保険を検討するのであれば、是非相談して頂きたいと思います。