コラム『所長の眼鏡』

努力することは才能2009.05.01

 

阪神大震災のあった1995年、父親を亡くすなどした子供や母親が暮らしていた神戸市須磨区にある母子生活支援施設では、約60人が身を寄せ合い眠っていました。

自宅を離れて施設に泊り込んだ人々の疲労は当然ピークに達しています。

そこに2箱の段ボール箱が届いたのです。

差出人はイチロー選手。

ダンボールの中にはびっしりとチョコレートが入っており、「すごい!」と子供たちの歓喜の声が沸き起こったそうです。

その日は2月14日でした。

前施設長の水野美禰子さんは、今でもその光景が目に焼きついているそうです。


翌年の96年、イチローが在籍したオリックスは日本シリーズで巨人を倒し、初の日本一になっています。

水野さんは

「同じ震災をくぐり抜け、私たちはイチロー選手と同じ夢を見てきた。米国に行っても、それは変わりません。そして、“贈り物”がまた一つ増えました」

と仰っています。

すでに皆さんもご存知の通り、4月16日(日本時間17日)、イチローは日米通算安打を3086本とし、張本勲氏の持つ日本のプロ野球最多安打記録を塗り替えました。

今さらイチローのことを書いたところで、イチローの偉業や偉大さは誰しも分かっていることです。

でも、彼に尊敬の念を抱くだけで、ただ羨ましがっても仕方がありません。

彼の陰の努力というのは本当に学ぶべき点が多いのです。


オリックス時代、最も遅く球場を出るのは常にイチローだったといわれています。

試合終了後、1時間半にわたってストレッチやランニングを続け、選手たちがいる間は残らなければならない警備員たちをやきもきさせたそうです。

当時警備員だった池田泰憲さんは

「ナイターが長引くと本当にこたえた」と当時を振り返っています。

孤高の天才と呼ばれるイチローですが、そんな見えない努力が大記録に結びついたのです。

「努力することが才能なら、僕にはその才能がある」

これはイチローの言葉ですが、普通こんなこと言えますか?(苦笑)

とてもシンプルで控え目な言葉のようですが、かっこよすぎます(^^;)

イチローには是非メジャー記録を目指して欲しいものです!


さて、先日インターネットで面白いサイトを見つけました。

「日本一ネット」http://www.nippon-1.net

日本初の、各分野の日本一記録だけをデータ化したサイトで、日本一記録とは、日本最大・日本最高・日本初など「日本で一番○○」というものを募集し、日本一ネット事務局が認定したものをホームページに掲載しています。

イチローに負けず劣らず?の記録もたくさんあり、そこに掲載されたもので、特にインパクトのあるものは何度もテレビ番組に取り上げられているようです。

どうでもいいような珍記録もたくさん紹介されていますが、そこはまさにアイデアの宝庫で、ビジネスに応用できそうな記録もたくさん紹介されています。

イチローのように日本一、世界一を目指すのは難しいかもしれませんが、自分にとっての、自社にとってのオンリーワンを見つけるには参考になるかもしれません。