コラム『所長の眼鏡』

モチベーションを保つ方法2011.08.01

 

今年は節電の夏で、皆さんも大変なご苦労をされていることと思います。

当事務所もクーラーの温度設定だけでなく、蛍光灯の本数も減らして15%削減に取り組んでいます。

しかし、景気が悪い上にこうも暑いとモチベーションを上げるのが大変です。

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以前に「商人に好不況はない。いずれにしても儲けなければならない」

という松下幸之助の言葉を紹介しましたが、このモチベーションを保つ秘訣を学びたいものです。


iPhoneやiPadなど、いくつもの常識を覆す商品を世に出したアップル社のスティーブジョブズは、自分にもスタッフにも常に高すぎるほどの基準を厳しく求め、

「もう無理だ!」と叫ぶスタッフに向けて顔色を変えずに

「それは残念だ。君の代わりを連れてこなければならない…」

と言ったそうです。

彼は世界が驚き、感嘆し、悲鳴を上げ、歓喜して迎える商品をずっと出し続けると決め、絶対に妥協しないそうです。


ディズニーランドの生みの親であるウォルトディズニーは、詳細なイメージ図をスケッチさせ、そのままアトラクションを建設。

ところが、実際に工事が始まると現場の判断で変更されてしまうのです。

実際に彼はジェットコースターの建設現場で、

顔を真っ赤にして「そうじゃない!ちがう!ちがう!ちゃんと設計通りにやってくれ!神は細部に宿るんだ。その神が子供たちと遊ぶんだ!」と怒ったそうです。


インドのスラム街で、今まさに死なんとしている貧乏な人々の最期を看取り続けたマザーテレサは、ノーベル平和賞を受け、ある富豪からロールスロイスを贈られました。

「マザーが受け取るはずがない。あんな売名行為は許さない」という声をよそにマザーテレサは平然と受け取りました。

当然「マザーも変わってしまったのか…」と叩かれますが、すぐにその車を1等の賞品にした宝くじを発行。

車を売って得られる10倍ものお金を集め、その全額を活動に使ったのです。

世のビジネスマンをはるかにしのぐ強さです。


本田宗一郎は、ちっぽけな町工場だったときにみかん箱に乗って「マン島のバイクレースで優勝する!」と宣言し、呆れられながらも実現しました。

さらに、自動車を作るようになってからは「F1で優勝する!」と言ってこれも見事に成し遂げました。

怒るとスパナが飛んでくると恐れられながら「おやじ」と慕われた本田宗一郎は、亡くなる直前にこう遺言したそうです。

「葬式は小さくやれ。車屋の社長が死んだからって、渋滞ができてはいかんだろ」


人ぞれぞれ表現方法は違いますが、この絶対に妥協しないモチベーションはどこから来るのでしょうか。

すべて突き抜けた高い次元での「高い志や深い愛」が感じられます。

松下幸之助が言った「いずれにしても儲けなければならない」という言葉も、単純に利益を追求するという意味には聞こえません。

すなわち、高いモチベーションを保つためには、「高い志と深い愛」が必要だということなのでしょう。

ましてや、今のような需要と供給のバランスが崩れ、物やサービスが溢れた世の中ではなおさらでしょう。

ヨーロッパ経済は破綻寸前、アメリカも同様、中国は新幹線の車両を土に埋めるなどと相変わらずめちゃくちゃです。(日本の政治もめちゃくちゃですが…^^;)

今、世界中が混乱していますが、企業は高い志をもってこの苦境を乗り切らなければなりませんね。

その前に、この猛暑を乗り切るだけでも大変ですが…苦笑