コラム『所長の眼鏡』

やりたいことと、しなければならないこと2011.12.01

 

オリンパス、読売巨人軍、大王製紙、と先月は話題に事欠かなかったのですが、大阪ではダブル選挙がありました。

結果は橋下氏の圧勝。

私と同い年なのですが、あの気迫には頭が下がります。

これから大阪がどう変わるのか、元々「政治なんてくそ食らえ」の大阪人が期待を寄せてしまうほどの今の閉塞感を打ち破って欲しいものです。

…余談ですが、株式会社読売巨人軍は、日本で唯一、軍が社名についているそうですね。

戦後60年以上が経つのに、軍隊みたいな会社名。

やっぱりあの会社は好きになれません(笑)

 

ところで、先月初めて山登りに挑戦しました。

たまたま友人に誘われたのがきっかけですが、神戸市主催の「六甲全山縦走大会」に参加することになったのです。

この大会は毎年11月に2回行われ、定員が各2000名ですが、最近の健康ブームで年々申込書が手に入らなくなっているそうです。

コースは須磨から宝塚に至る六甲連山、全56㎞の縦走路で、標準的には14~15時間かかります。

早朝5時に須磨浦公園を出発し、宝塚に到着するのは夜の8時、9時です。

少し前までの自分なら考えられなかったことですが、ふとしたきっかけで貴重な体験をすることができました。

何度も心が折れそうになるくらいしんどいですが、時間があればまた行きたいと思います。

 

ところが最近、どうも時間がない。

日本全体が閉塞感に覆われています。

どうも少し息苦しい。。。なぜか?

「やりたいこと」と「しなければならないこと」のバランスが崩れているような気がします。

生きていくにはどちらも大切なのですが、「しなければならないこと」が増え過ぎてきて、「やりたいこと」に割く時間が少なくなっているのではないでしょうか。

「してもいいこと」と「してはいけないこと」は道徳的に判断すればストレスを感じることはなくなります。

しかし、「やりたいこと」ができずに「しなければならないこと」が増えるとストレスを感じてしまいます。

 

特に、個人情報やコンプライアンスなど、本当に必要か?と思うものまで義務付けられるようになってしまうと、ストレス社会が蔓延してしまうのではないでしょうか。

とある諸国行脚の僧が小田原城の城下に来て立て札を見たところ、

「北条家も大いに衰えたり。この分では遠からず滅ぶであろう」と言った。

それを役人が聞きつけて糾問したところ、

「私が先年、この地を訪れ た際に見た立札に記されていた掟の数はわずかに12か条でした。

しかし今日、またご城下を通って立札を見たら、掟の数が123か条もあるではないですか。

掟の数が増えるのは悪事を働く者が増えた故でしょう。

悪事を働くのは生活が苦しいからです。

その民の苦しみを顧みず掟だけ増やしているとは、北条家が先代よ り衰えたことの証です。

政はやることが少ないほど素晴らしいものです」と答えました。

 

今の時代、法律や規制以外に「しなければならない」ことが増える一方です。

これではバランスを崩してストレスとなります。

会社の経営も同じで、決算書のバランスが崩れると経営がおかしくなります。

簿記の仕訳は借方と貸方が一致しなければ合いません。

人も同じで、「やりたいこと」と「しなければならないこと」のバランスを取って、ストレスがないようにしたいものです。

皆さん「やりたいこと」をする時間を取っていますか?