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「1ヵ月単位の変形労働時間制」をご存じですか?2017.09.11

 昨今、マスコミ報道などで「働き方改革」や「同一労働同一賃金」など、労働問題に関する話題が頻繁に取り上げられています。 そこで、今回は「労働時間」の考え方について、「変形労働時間制」というものがあることをご紹介したいと思います。
「労働時間」というと、まず頭に浮かぶのが「1日8時間、1週40時間」という数字ではないでしょうか? これは労働基準法第32条に明記されている労働時間の限度になります。
しかし、条文をよく見てみると、「1週40時間、1日8時間」という並びになっており、法律上は1週40時間以内に納まるならば、1日8時間という限度にこだわらなくても良い、ということを意味していることとなります。
それを受けて、同条第2項で規定されているのが「1ヵ月単位の変形労働時間制」という労働時間の設定方法です。   この制度は1ヵ月を通じて、平均して1週当たり40時間に収まるならば、1日10時間でも12時間でも勤務させることが認められる制度です。 勿論、労基法第37条の割増賃金の支払いも不要になります 結論からいうと、31日の月であれば177.1時間30日の月であれば171.4時間を総労働時間として各日の労働時間を自由に設定することができる制度ということになります。   これは、小売業介護事業医療保健業など従業員の勤務時間が数パターンある1ヵ月の業務の繁閑が明確であるアルバイトと正社員の勤務時間の調整を行っている、などの実態がある場合に制度化しやすく、不要な割増賃金を合法的に支払わなくて良くなるかも知れません
ただし、この制度を法的効力がある制度として運用するには、労使協定又は就業規則において以下のことを定める必要があります。 対象労働者の範囲 対象期間及び起算日 労働日及び労働日ごとの労働時間   特に③については、②の期間ごとにその都度あらかじめ具体的に決めておかなくてはいけませんので注意が必要です。   こうした、労働時間の設定方法、就業規則の規定などの相談も当事務所ではご相談いただけますので、是非お気軽にお問い合わせください! 😉