事務所ブログ
小規模法人の代表者の労災事故について2016.03.07
すっかり暖かくなり、春の到来が身近に感じられる今日この頃ですね 😀 さて、今回は小規模法人の代表者の労災事故と健康保険の利用についてまとめてみたいと思います。皆さんご存じのように、業務上災害はいわゆる労災事故として、労災保険から治療費や休業補償などを受けることとなっており、原則国民健康保険や社会保険上の健康保険(協会けんぽ)は使わないでください、とされています。
ただし、個人事業主の方は通常は労災保険の補償対象外であるため、業務上の怪我であっても、国民健康保険を使って治療をうけることができます。
また、他人を雇用している場合は中小事業主として労災保険に特別加入することができますので、その場合は国民健康保険を使わずに労災保険から給付を受けた方が自己負担も無く、国民健康保険にはない休業補償も受けられますので、危険作業の多い業種の方は特別加入をされておかれる方が良いと思います。
一方で、法人の代表者は、社会保険が強制的に適用されますので、従業員はじめ自分自身も社会保険上の健康保険に加入されているいるケースが殆どですが、この社会保険は業務上災害の場合は保険給付を行わないのが原則です。
よって、法人の代表者が業務上災害に遭った場合は、労災保険に特別加入していなければ全額自費で治療を受けなければならない、という状況が生まれていました。
しかし、平成15年7月の厚生労働省通達で、小規模法人の代表者にはその実態を踏まえた例外措置として、業務上災害でも社会保険上の健康保険にて治療等をうけることができる、とされています。
その対象は下記の要件を満たす代表者になります。
①健康保険の被保険者が5人未満の法人の代表者であること ②従業員と著しく異ならない労務に従事していること ③業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病であること
これらの要件を満たす法人代表者は社会保険を使って業務上災害の治療等を受けることができます。 もちろん、窓口で3割負担を求められますが、全額自費で負担するよりマシですね 😉 逆に、上記の要件を満たさない法人代表者は労災保険に特別加入していないと、全額自費で治療等を受けることになるためその点をよく認識しておかなければなりませんね。。。
こうした社会補償を考えてみると、やはり労災保険は手厚いです! 治療費は自己負担無しですし、国民健康保険には無い休業補償や、社会保険に上乗せされる障害給付や遺族給付もあります。
これから事業を始められる方はもちろん、今まで特別加入していなかった方も労災保険のご相談や手続きは是非当事務所までお問い合わせください! 🙂