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資格喪失後の傷病手当金2016.05.19

 つい先日沖縄が梅雨入りしたそうですね。 近畿地方は一昨年、昨年と2年続けて6月3日が梅雨入りで、梅雨明けは両年とも7月20日前後でした。 恵みの雨ではありますが、出来れば長引かずに早めに夏本番を迎えたいですね 😉
さて、今回は退職等により社会保険を資格喪失した後の傷病手当金についてご説明したいと思います。
傷病手当金の申請を検討されている方について「退職したら受給することはできないのでしょうか?」といったご質問を受けることがありますが、次の①、②を満たしていれば、資格喪失後も受給することはできます。

1年以上被保険者として健康保険に加入していること資格喪失日の前日において、傷病手当金を受給できる状態であること
①についてはわかりやすいのですが、②については注意が必要です。
傷病手当金は連続3日以上労務不能の状態である場合に、4日目以降の休んだ日について支給されますので、②の要件を満たすためには、資格喪失日までに連続4日以上休んでいることが必要になります。
例えば、5月1日から私傷病により欠勤している被保険者が退職後に傷病手当金を受けるためには、退職日が5月4日以降である必要があります。
資格喪失日は退職日の翌日5月5日になりますので、前日の5月4日が1日だけですが傷病手当金の支給対象日になります。
このように、支給対象日を1日以上確保した状態で退職された場合、退職後は国民健康保険に加入されたとしても、もともと加入していた健康保険から傷病手当金を受給することができます。
では、75歳になって後期高齢者医療へ移行する際はどうでしょう?
皆さんご存じのように、75歳になると社会保険の健康保険は資格喪失することとなります。 この場合、資格喪失日は誕生日の前日(75歳到達日)が資格喪失日になります。
例えば、5月10日が誕生日の方は5月9日が資格喪失日になります。
とすると、5月5日以前の日から休んでいなければ75歳以降の傷病手当金は受けられないことになります。
また、被保険者である間は老齢年金と傷病手当金は両方受給することができます。
しかし、資格喪失後はそれらの間で調整がかかり、老齢年金の日額が傷病手当金の日額を上回る場合は傷病手当金は支給されないことになりますので、注意が必要です。
このように、退職日や資格喪失日が1日異なれば折角の給付を受けられないケースも出てきます。 もし、疑問やご質問がありましたらお気軽に当事務所までご相談くださいね 🙂