事務所ブログ
権利金を受け取った大家さん必見です!2014.10.08
本日10月8日は、二十四節気の「寒露」(カンロ)にあたります。
「寒露」とは、霜になりそうな冷たい露が植物に宿るという意味です。
本来なら秋も深まる時期なのですが、台風の影響でしょうか、まだまだ蒸し暑い日が続きますね。
さて、不動産貸付業を営んでいる大家さんで、不動産を貸付けるとき権利金などで一時に大きな金銭を受け取ることがあるかと思います。
そこでその金銭について所得税法上、一定の要件を満たせば「平均課税」という税負担軽減制度の適用が受けられることをご存じでしょうか。
所得税の計算における税率は、超過累進税率といって、所得が大きくなればなるほど税率が大きくなる仕組みです。
しかし今年、臨時的に大きな所得が発生したことにより、そのまま超過累進税率を適用すると大きな税負担となってしまいます。
この場合、毎年、収入変動が少ない方に比べて公平さを欠いてしまうため、この様な臨時的な収入には特別な計算方法が規定されているのです。
それでは、まず「平均課税」のもととなる「臨時所得」についてですが、それは以下の通りとなります。
①不動産などを3年以上の期間、他人に貸付けることにより一時に受ける権利金等で、その権利金が年間使用料の2年相当額以上あるもの
②業務を休止することにより、その所得補償として3年以上の期間において受取る補償金
③プロスポーツ選手など3年以上の期間専属することにより、一時に受ける契約金で年間報酬の2年相当額以上あるもの
次に、その臨時所得について「平均課税」の適用を受けるためには、その年における臨時所得の金額が、その年分の総所得金額の20%以上を占めることが要件となります。
そして、その平均課税における税額の計算方法は「5分5乗方式」で計算します。
「5分5乗方式」とは、臨時所得を一旦5で割って、その5分の1の額に超過累進税率を適用して税額を計算し、その額に5をかけて納税額を算出します。
例えば、1000万円の臨時収入があった場合、通常の所得税における超過累進税率か、平均課税制度を適用したのでは次の通り納税額に差が出ます。
(通常)10,000,000円 × 33% - 1,536,000円 = 1,764,000円
(平均課税){(10,000,000円 ÷ 5) × 10% - 97,500円 } × 5 = 512,500円
(差額)1,764,000円 - 512,500円 = 1,251,500円
(注)便宜上、各種控除や復興特別所得税等は省略しています。
この平均課税制度は、本人が選択して申告をしなければ適用が受けられないため、もしかしたら通常の超過累進税率を適用して多額の納税をしている可能性があります。
「こんな制度知らなかった。もしかしたら高い税金を払っていたかも…」と思われたら、是非、当事務所までご相談ください。
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