特定親族特別控除とは?2025年から始まる新しい制度
2025.08.25
2025年(令和7年)からスタートする税制改正の一つに「特定親族特別控除」があります。これは、高校卒業後から大学生世代にあたる子どもを持つ家庭にとって注目すべき制度です。
これまで、子どもが19歳から23歳未満の場合には「特定扶養親族」として63万円の扶養控除を受けることができました。しかし、アルバイトなどで収入が103万円を超えると扶養から外れ、控除が受けられなくなるという問題がありました。結果として「働きすぎると親の税負担が増えるからセーブしておこう」というケースも多く、若年層の就労意欲や経験の機会を制限しているとの指摘がありました。
そこで導入されるのが「特定親族特別控除」です。新制度では、対象となる19歳以上23歳未満の子どもがアルバイトなどで収入を得た場合でも、188万円以下までは段階的に控除が適用されるようになります。たとえば、従来なら103万円を超えると控除がゼロになるところを、新制度では150万円までは満額の控除、188万円までなら一部控除を維持できる仕組みです。
これにより、学生が学費や生活費を補うために安心して働けるようになり、家庭の税負担も大きく悪化しないというメリットがあります。特に大学生の子を持つ家庭では、進学費用の負担が重い中で少しでも支援になると期待されています。
ただし、扶養控除全体の適用条件(生計を一にしていることなど)は従来どおりですので、実際に申告する際には給与明細や源泉徴収票を確認し、年末調整や確定申告で正しく反映させることが大切です。
「子どもが働きたいのに税金の関係で抑えざるを得ない」という状況を少しでも緩和するこの改正。ご家庭のライフプランに大きく関わるため、早めに制度の内容を理解しておくと安心です。
残余財産の分配
2025.08.18
「残余財産の分配」
会社をたたむ(=解散する)とき、「最後に残った財産」はどうなるのかご存じですか?
この「最後に残った財産」のことを、残余財産(ざんよざいさん)と呼びます。
この記事では、会社を閉じる際に必要となる「残余財産の分配」について、
税務の知識がない方にもわかりやすく丁寧に解説します。
残余財産とは?
「残余財産」とは、会社を解散してすべての支払い(借金や未払金など)を終えたあとに、最終的に会社に残ったお金や資産のことを指します。
代表的な残余財産の例
残余財産の分配とは?
清算を終えた後、残った財産は会社の株主へ分配されます。
この手続きを「残余財産の分配」といいます。
分配方法は非常にシンプルで、株主の出資割合(持ち株比率)に応じて分配されます。
例:株主A(70%)、株主B(30%)の場合
残った財産が100万円であれば、
が分配されます。
残余財産の分配までの手続き
分配に至るまでには、以下のような手順を踏む必要があります。
1. 会社の「解散」を決議
まず株主総会で「会社を解散する」ことを正式に決定します。
同時に「清算人(せいさんにん)」を選任します。
多くの場合、代表取締役がそのまま清算人になります。
2. 債権者への公告(官報)と催告
解散後は、官報に「会社を解散したこと」を公告し、債権者に対し「2か月以内に申し出てください」と通知します。
この期間中は、債務の請求がある可能性があるため、財産の分配を行うことはできません。
3. 債務の整理と未収金の回収
債権者からの請求がないか確認しつつ、以下のような処理を行います。
帳簿や証憑類は、将来の確認のためにも丁寧に保管しておきましょう。
4. 残余財産の確定
すべての清算手続きが完了した段階で、最終的に会社に残った財産を「残余財産」として確定します。
5. 株主への分配
確定した残余財産を、株主へ分配します。
株主名簿などを参照し、出資比率に基づいて正確に分けることが求められます。
6. 清算確定申告の提出
分配が完了しても、それで終わりではありません。
税務署には「清算確定申告書」を提出する必要があります。
これは残余財産の分配に関する法人税の申告書です。
税務手続きは期限があるため、忘れずに行いましょう。
残余財産と税金の関係
残余財産の分配には、税金がかかる場合があります。
受け取るのが個人か法人かによって課税内容が異なります。
個人株主が受け取る場合
「みなし配当」として扱われ、所得税の課税対象となります。
受け取った金額に応じて確定申告が必要になることもあります。
法人株主が受け取る場合
会社の利益とみなされ、法人税の対象になります。
税務処理は複雑になることもあるため、不安な方は事前に税理士に相談するのがおすすめです。
まとめ:残余財産の分配は慎重に
残余財産の分配ポイント
会社の解散は一つの区切りであると同時に、最後まで責任を持って完結させるための重要なプロセスでもあります。
正しい知識をもとに、適切な手続きを行い、トラブルなく会社を締めくくりましょう。
派遣社員や内定者に支払う旅費の仕入税額控除は?
2025.08.04
事業で支出した出張旅費の中には、正社員だけでなく、派遣社員や内定者、さらには採用面接者に交通費や旅費を支払う機会があります。
では、これらの費用について仕入税額控除はできるのでしょうか?
今回は「出張旅費等特例」や「公共交通機関特例」といった仕入税額控除に関する取扱いを解説します。
従業員等に支払う出張旅費・宿泊費・日当(出張旅費等)などについては、その出張旅費等が通常必要な範囲であれば帳簿保存のみで仕入税額控除が可能とする制度です。
この特例は「派遣社員」や「内定者」にも一部適用されます。
① 派遣元企業へ支払う場合
→ 人材派遣等の役務提供に係る対価とされるため、通常の課税仕入れの扱いとなり、派遣元企業から受領した適格請求書の保存が必要です。
② 派遣元企業を通じて、派遣社員本人へ支払われる場合
→ 出張旅費等特例の対象となります。契約書等で、旅費が直接支払われることが明らかな場合に限り、帳簿保存だけで仕入れ税額控除可能です。
なお、この場合派遣元企業では立替払い扱いのため仕入税額控除できません。
①内定者(労働契約が成立していると認められる者)
→ 出張旅費等特例の対象となります。帳簿保存で仕入税額控除が可能です。
②採用面接者
→ 特例の対象外です。この場合は、適格請求書の保存が必要になります。
派遣社員や内定者等の交通費を、公共交通機関に直接支払ったと同視できる場合、3万円未満であれば帳簿のみの保存で仕入税額控除が可能です。
海外出張に係る旅費は原則、課税仕入れに該当しません。
- 特例の対象外の場合、適格請求書(簡易も可)と立替金精算書の保存が必要です。
- 宛名が「派遣社員等の個人名」になっている場合の精算は注意が必要です!
【2025年版】住宅ローン控除は今年が最後?
2025.07.28
✅住宅ローン控除って何?
住宅ローン控除 (正式名称 :住宅借入金等特別控除)とは、
マイホームを購入した際のローン残高に応じて、所得税や住民税が減税される制度です。
📌ポイント
📅2025年が‘‘最後”と言われる理由
現行の住宅ローン控除は、2025年末(令和7年末)までに入居した人が対象です。
つまり、
1.入居時期が重要!
ー住宅の完成・引渡しが2025年内であることが条件。
2.省エネ住宅が有利
ー認定長期優良住宅など、省エネ性能が高いほど控除上限が大きい。
3.契約前にシミュレーションを
ー自分がどれだけ控除を受けられるか、税理士や住宅メーカーに相談すると安心。
↓
✅まとめ: 2025年はラストチャンス?
また延⻑になる可能性もあります。
居住者か非居住者かの判断
2025.07.22
1.居住者か非居住者かの判定
日本の所得税法はたった 2 つの条件で居住区分を決めます。
・国内に“住所”がある(生活の本拠)
・住所がなくても 現在まで 1 年以上 “居所”がある
どちらかに当てはまれば居住者となり、それ以外は非居住者と判定されます。
所得税の扱いについては
居住者:世界中の所得に日本の所得税を計算
非居住者:日本国内源泉所得だけに 20.42 % の源泉徴収のみで計算
2.183 日ルールとは
183 日という数字は、赴任先での免税ルールであり、日本の居住者判定とは関係がありません。
これは日本と相手国の租税条約が定める短期滞在者免税の要件の一部です。
条件を満たした場合にのみ、国内と赴任国での2重課税が生じないように
赴任国での課税が免除されます。
ただし、赴任国で給与等の支給を受ける場合には、この183日ルールの要件から外れますので
現地での課税は免除を受けることができません。
3.住民税は 1 月 1 日に住所を有するのかどうかが焦点となります。
個人の住民税は 毎年 1 月 1 日の住所(住民票) で課税または非課税が決まります。
日付 行動 住民税の結果
2025/12/30 転出届を提出し、31 日深夜便で出国 2026 年度住民税なし
2025/12/31 「まだ準備が…」と居残り、1/2 に出国 1 月 1 日は日本に住所
⇒ 2026 年度住民税 発生
2026/06/15 途中帰国し会社復帰 2027 年度以降は、
次の 1 月 1 日に住所があれば課税再開
居住区分や給与負担主体等を確認し、必要に応じた諸手続きが必要となりますのでご注意ください。
従業員賞与を未払計上する際の注意点
2025.07.14
7月は賞与を支給される法人様が多いと思いますが、決算で未払いの賞与を経費計上することはできるのでしょうか。
結論、決算において、従業員賞与を未払計上したい場合、以下の要件をすべて満たすことにより、その事業年度の損金の額に算入することができます。
①
その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知をしていること。
②
①の通知をした金額を通知したすべての使用人に対しその通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に支払っていること。
③
その支給額につき、①の通知をした日の属する事業年度において損金経理をしていること。
(参考:国税庁タックスアンサーNo.5350 使用人賞与の損金算入時期)
ただし、注意すべき点があります。
それは、支給日に在職する者のみに賞与を支給することとしている場合です。
就業規則等により、「支給日に在席する者にのみ賞与を支給すること」としている場合は、決算日時点において支給する金額が確定していない(支給日にならないと債務が確定しない)とされ、未払計上が認められませんのでご注意ください。
たとえ、支給日までに退職した社員がいなかったとしても同様です。
税務調査で未払賞与の計上を否認されないためには、就業規則(給与規定)の確認と、支給する旨の通知を口頭ではなく、通知日等、事実がわかるような証拠を残すことが重要です。
7月10日は源泉所得税の納期の特例を適用している方も上半期分の納付期限です
2025.07.07
源泉所得税を「納期の特例」で納めている事業者の皆さま、7月10日は上半期分(1月〜6月)の納付期限です。
通常、源泉所得税は支払いの翌月10日までに納付が必要ですが、
「納期の特例」を税務署の承認を受けて利用することで、年2回にまとめて納付できます。
対象期間と納付期限
1月〜6月分 → 7月10日
7月〜12月分 → 翌年1月20日
対象事業者
常時雇用する従業員が10人未満の小規模事業者などが対象です。
令和7年1月1日〜6月30日に支払った、以下のような支払にかかる源泉所得税が対象です。
給与(アルバイト含む)
賞与(夏のボーナスも)
退職金
外注報酬(士業・フリーランス等)
忘れがちな支払いも含まれるので、集計漏れに注意しましょう。
納期の特例を利用するには「常時雇用が10人未満」である必要があります。
従業員を増員した場合など、人数条件を超えていないかを再確認してください。
納期限を過ぎると、延滞税や不能加算税のペナルティが発生します。
電子納税の場合でも、操作ミスやエラーで未納となるケースもありますのでご注意を。
源泉所得税の納付は、つい忘れがちな業務のひとつ。
しかし、納期の特例を適切に使えば、毎月の事務負担を大きく軽減できます。
詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。
No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例|国税庁
7月末は所得税の予定納税第1期の納付期限です
2025.6.30
令和7年7月31日(木)は、所得税の予定納税第1期の納付期限です。
【予定納税とは?】
前年分の所得金額や税額などを基に計算した予定納税基準額が15万円以上となる場合には、原則、この予定納税基準額の3分の1相当額をそれぞれ7月(第1期分)と11月(第2期分)に納めることとなっています。
予定納税額は、確定申告の際に計算した税額から差し引くことにより精算します。
対象となる方には6月中旬頃に税務署から「予定納税額の通知書」が送付されています。
納期等の区分 | 納期限(法定納期限) | 振替日 |
---|---|---|
予定納税第1期 | 令和7年7月31日(木) | 令和7年7月31日(木) |
予定納税第2期 | 令和7年12月1日(月) | 令和7年12月1日(月) |
【予定納税の納付方法】
・振替納税
・インターネットバンキング等を利用した電子納税
・クレジットカード納付
・スマホアプリ納付 など
【予定納税額の減額申請】
廃業、休業又は業況不振などの理由で、令和7年6月30日の現況による令和7年分の「申告納税見積額(年間所得や所得控除などを見積もって計算した税額)」が、税務署から通知されている「予定納税基準額」よりも少なくなると見込まれる場合において、予定納税額の減額申請をすることができます。
第1期分の予定納税額の減額申請をする場合は、令和7年7月15日(火)までに「予定納税額の減額申請書」に必要事項を記載し、書面又はe-Taxにて所轄の税務署に提出してください。
うっかり忘れてしまうと延滞税が加算されることも…。
今のうちにスケジュールを確認して、安心して夏を迎えましょう!
詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。
キャッシュレス納付が拡大中!
2025.6.23
「税金や公共料金の支払いはいつも銀行窓口で…」 そんな常識が、今まさに大きく変わろうとしています。
【銀行窓口で税金が払えない!?一部金融機関が受付終了】
近年、大手銀行を中心に「税公金の窓口納付」サービスを順次終了する動きが進んでいます。
たとえば、みずほ銀行や三菱UFJ銀行などでは、契約のある地方公共団体以外は2024年以降に順次「現金での税金納付(住民税など)」の窓口取り扱いが終了しています。
【自治体も「現金納付お断り」に】
また、銀行だけでなく地方自治体(市区町村)も税金や公共料金の“窓口現金納付”を廃止する動きが出てきています。
たとえば、大阪府では府税事務所における窓口納付の取扱いについては、令和7年9月30日をもって各府税事務所内の指定金融機関窓口が廃止となります。
この背景には、人手不足や窓口業務の効率化、そしてキャッシュレス化の社会的流れがあるようです。
【キャッシュレス納付とは!?】
ただし、キャッシュレス納付を利用する際は、事前に必要な手続きを行う必要があります。
また、納付後に税務署からの通知が送付されないため、納付の記録を自分で管理することが重要となりますので注意が必要です。
【今後の納税にはキャッシュレスが主流に!】
・金融機関や自治体での窓口現金納付は縮小傾向
・インターネットやスマホ決済での納付が当たり前に!
・早めの準備が、スムーズな納税と安心につながる!
今後ますます進む「キャッシュレス納付」ですが、時代の変化に合わせて少しずつ慣れていきましょう!
【令和7年度税制改正】防衛特別法人税が創設されます
2025.6.16
令和7年度の税制改正により、新たに「防衛特別法人税」が創設されることが決まりました。防衛費を安定的にまかなうために、企業に新しく課される税金です。国の安全保障のための資金を企業の利益から少しずつ分担してもらう、という仕組みです。
〇適用開始
2026年4月1日以降に始まる事業年度から適用されます(たとえば、3月決算の会社なら2027年3月期から)。
〇対象
日本国内のすべての企業が対象ですが、「年間の法人税額が500万円を超える企業」のみが課税されます。
〇税率
法人税額から年500万円を引いた残りの額に対して、4%をかけた金額が防衛特別法人税として加算されます。
例:法人税が1,000万円の会社なら、(1,000万 − 500万)× 4%= 20万円が追加でかかります。
住民税の「特別徴収通知」が届いたらまず確認すべき5つのポイント
2025.6.9
6月に入ると、市区町村から「住民税の特別徴収税額通知書」が届きます。
これは、会社が従業員の住民税を給与から天引きし、自治体へ納めるためのものです。
通知書を受け取ったら、以下の5点を必ず確認しましょう。
■確認ポイント①:従業員氏名・人数は正しいか
すでに退職している人が含まれていないか、新入社員が漏れていないかをチェック。
間違っている場合は「異動届出書」を市区町村へ提出が必要です。
■確認ポイント②:税額は妥当か
住民税は前年の所得をもとに計算されています。
税額が極端に高い・低い場合は、源泉徴収票と照らし合わせて確認しましょう。
■確認ポイント③:控除開始月は「6月」になっているか
原則、住民税は6月から翌年5月までで分割して納めます。
違う月になっていたら、役所へ確認を。
■確認ポイント④:納付書は自治体ごとにそろっているか
従業員の住んでいる市区町村が複数ある場合、それぞれに納付が必要です。
納付書が足りているか、確認を忘れずに。
■確認ポイント⑤:退職・育休中の人の対応は?
給与が出ていない人については、「普通徴収」へ切り替えることも可能です。
早めに手続きしておきましょう。
【まとめ】
特別徴収の通知書は、内容を放置すると誤った税額での天引きや納付漏れにつながります。
6月中にしっかり確認し、必要があればすぐに対応しましょう!
年収の壁見直しにおける所得税と個人住民税との違い
2025.6.2
2025年の税制改正により、所得税の非課税限度額が年収103万円から160万円へと大幅に引き上げられました。これは、基礎控除の引き上げや給与所得控除の拡大によるものです。この改正の目的は、パートやアルバイト従業員が「働き控え」をせずに就労時間を増やせるようにし、人手不足の解消を図ることにあります。
一方で、個人住民税の非課税限度額は、従来の100万円から110万円へとわずか10万円の引き上げにとどまりました。住民税は、各自治体が財源とするため、国の所得税とは異なる基準で運用されています。そのため、所得税の非課税限度額が大幅に引き上げられた一方で、住民税の非課税限度額は小幅な改正にとどまったのです。
この違いにより、年収が110万円を超えると住民税の課税対象となり、所得税は非課税でも住民税が発生するケースが生じます。そのため、年収を増やしても手取りが思ったほど増えない、あるいは減少する可能性もあります。特に、住民税非課税世帯を対象とした各種支援制度の対象外となることもあるため、注意が必要です。
このように、所得税と住民税の非課税限度額の違いは、働く人々の就労意欲や生活設計に大きな影響を与えます。今後、住民税の非課税限度額の引き上げについても、さらなる議論と検討が求められるでしょう。
5月6月7月は、役所から通知書が届いたり、納税が増えるので忘れないよう注意しましょう。
2025.5.26
5月
6月
7月
「103万円の壁見直し」等の改正は、年末調整で適用・精算されます
2025.05.19
「年収の壁」、「103万円の壁」等としてマスコミを賑わせていた所得税の改正議論に一定の決着がつきました。
令和7年度税制改正により、所得税の基礎控除額・給与所得控除額等の引上げ、配偶者控除・扶養控除の合計所得金額要件の引上げ、「基礎控除の特例」・「特定親族特別控除」の創設等が実施されます。
これらの改正は、令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税について適用されますが、令和7年11月までの源泉徴収事務には変更は生じません。
改正制度は、会社員は令和7年12月の年末調整で適用されることになります。
ただし、従業員等の死亡や海外への出国等により、11月30日以前に年末調整を行う場合は、「改正前の現行制度」で令和7年分の所得税を精算しなければなりません。
このため、従業員等は、改正制度の適用を受けるために、令和8年3月15日までに「確定申告」をする必要があります。
個人事業主等が行う「準確定申告」の場合も同様で、11月30日以前の「準確定申告」は、その時点では改正制度は適用されず、「改正前の現行制度」で計算することになります。
ただし、「更正の請求」が認められており、令和7年12月1日から5年以内に「更正の請求」を行うことで、改正制度を適用することができます。
ややこしいですね。
「確定申告」・「準確定申告」・「更正の請求」等、日野上総合事務所が申告サポートをさせて頂きますので、どうぞご相談ください。
育児時短就業給付金が創設されました
2025.05.07
2025年4月から新たに創設された「育児時短就業給付金」は、育児と仕事の両立を支援するための制度です。
対象となるのは、2歳未満の子どもを育てながら短時間勤務で働く労働者で、一定の条件を満たした場合に、雇用保険から給付金が支給されます。
給付額は、短時間勤務による賃金減少分の一部が補填され、経済的な不安を軽減します。
企業にとっても、子育て中の従業員の離職防止や人材確保につながるメリットがあります。
育児休業後の働き方を検討中の方は、ぜひこの制度を活用してください。
75歳以上の方へ「資格確認書」送付 マイナ保険証を使わない方も安心!
2025.04.28
■ なぜ「資格確認書」が送られるの?
政府は、健康保険証を廃止してマイナンバーカード(マイナ保険証)への一本化を進めています。
しかし、75歳以上の高齢者の中にはマイナ保険証を利用していない方も多く、その対策として、すべての後期高齢者に「資格確認書」を送付することが決まりました。
■ 資格確認書とは?
医療保険の加入を証明する紙の証明書で、マイナ保険証を使わなくても医療機関を利用できるようにするものです。
マイナンバーカードがなくても、これがあれば安心です。
■ どうやって使うの?
病院や薬局の窓口で、健康保険証の代わりに提示すればOKです。
マイナ保険証を使う人には不要ですが、使っていない場合は資格確認書を大切に保管しましょう。
■ まとめ
✔ 75歳以上の方には、保険証の代わりになる資格確認書が自動送付されます。
✔ マイナ保険証を使っていない方も、これで医療を受けられるので安心です。
✔ 届いたら、病院で使えるよう手元に保管しておきましょう!
【令和7年度】在職老齢年金の支給停止調整額が「51万円」になります
2025.04.21
【令和7年度】在職老齢年金の支給停止調整額が「51万円」になります
老齢年金を受給されている方が厚生年金の被保険者であるときに、受給されている
老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額に応じて年金額が支給停止になる場合があります。
2025年(令和7年)4月から、在職老齢年金の支給停止調整額が
50万円 → 51万円に引き上げられました。
今回は、支給停止の計算方法について、簡潔にご紹介します。
【支給停止の計算式】
(総報酬月額相当額 + 年金月額 - 51万円)÷2 = 支給停止額
総報酬月額相当額:(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12
年金月額:老齢厚生年金の月額(加給年金額を除く報酬比例部分)
◆ 計算例
例)給与40万円、年金15万円の場合
→ 40万+15万=55万円
→ 55万-51万=4万円
→ 4万円÷2=基本月額から2万円が停止となります。
※基本月額と総報酬月額相当額との合計が51万円以下の場合は全額支給になります。
固定資産(土地・家屋)の価格等の縦覧について・・大阪市
2025.04.07
固定資産税(土地・家屋)の納税者の方が、土地・家屋が所在する区と同一区内の土地・家屋の価格などが記載された帳簿にて、他の土地・家屋の価格と比較し、価格が適正であるかを確認することができます。
縦覧できる方:土地または家屋をお持ちの納税者の方
縦覧期間:令和7年4月1日(火曜)から4月30日(水曜)まで
縦覧帳簿:令和7年度の「土地価格等縦覧帳簿」または「家屋価格等縦覧帳簿」
縦覧場所:土地または家屋のある区の担当する市税事務所
(注)土地または家屋のある区の土地・家屋価格等縦覧帳簿に限ります。
担当する区以外の縦覧はできません。
土地または家屋の価格や税額などについては、4月上旬頃に送付される固定資産税の納税通知書に添付している「課税明細書」により確認できます。
大阪市ホームページ
https://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000619274.html
eltaxでのダイレクト納付で二段階認証が始まっています。
2025.03.31
皆様はもうダイレクト納付の利用を始められていますでしょうか?
国税・地方税ともにe-taxやeltaxに金融機関を登録しておけば、指定の口座から指定した日に税金を振替できるようになります。
銀行等に行くこともなく、クレジットカード決済の手数料も必要ないためとても便利です。
今までは、e-taxやeltaxにて納付情報を作成・申告後に納付日を指定するだけでしたが、令和7年3月24日にeltaxのバージョンアップが行われました。
セキュリティ強化のため、ダイレクト納付時に、ワンタイムパスワードによる二段階認証を行うよう変更されました。
手順は以下のようになります。
1.eltaxのPCdeskにて納付情報を作成・申告
2.申告後の納付情報にてダイレクト納付を選択
3.納付日を指定
4.ワンタイムパスワードの送付先メールアドレスを選択
5.届いたワンタイムパスワードを入力
4.と5.が新たに追加された作業となります。
送付先メールアドレスは、あらかじめeltaxに登録する必要があります。
少し手順は増えましたが、事務負担の軽減にはなると思いますので、ダイレクト納付の利用をご検討ください。
この二段階認証はeltaxのみの変更ですので、e-taxは今まで通りの作業となります。
国税を納期限に納付することが難しい時
2025.03.24
令和6年の所得税の確定申告も令和7年3月17日期限で終了しました。
税金が定められた期限までに納付されない場合には、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。
延滞税の計算
1.法定納期限 延滞税無し
2.法定納期限~2か月 延滞税率2.4%
3.2ヶ月後~ 延滞税率8.7%
例
国税300,000円を令和7年12月31日まで納付しなかった場合
300,000×2.4%×61日/365日=1,200円
300,000×8.7%×(289日−61日)/365日=16,300円
1,200円+16,300円=17,500円
猶予制度とは
国税の猶予制度とは、一時に納付することにより事業の継続や生活が困難となるときや、災害で財産を損失した場合などの特定の事情があるときは、税務署に申請することで、原則として1年以内の期間に限り、納税が猶予される制度です。
*納税の方法は、猶予の種類により、①猶予期間中に分割納付をする場合、②1年間据え置かれる場合が有ります。分割納付をする場合は、納税者の資料に応じて対応します。
税金が定められた期限までに納付できない場合は、所轄の税務署に相談しに行って下さい
所得税・消費税の納付方法について
2025.03.17
①振替納税
納税者自身名義の預貯金口座から、国税庁が定める振替日に口座引き落としを行い納付する方法です。
振替納税は所得税等や個人事業者の消費税及び地方消費税のみ利用できます。
振替納税を利用する場合は、納期限までにe-TAX又は書面により預貯金口座振替依頼書を提出する必要があります。
②ダイレクト納付(e-TAXによる口座振替)
事前にe-TAXの開始手続を行った上で、税務署にダイレクト納付利用届出書を提出いただくことで納税者ご自身の預金口座から、即時又は指定した期日に口座引き落としを行い納付する方法です。
③インターネットバンキング
インターネットバンキングやATMから納付する方法です。
インターネットバンキング等から納付手続きを行う必要があります。
④クレジットカード納付
インターネットを利用して「国税クレジットカードお支払いサイト」から納付する方法です。
⑤スマホアプリ納付
「国税スマートフォン決済専用サイト」から、スマホアプリ決済を利用して納付する方法です。
⑥コンビニ納付
国税庁ホームページで提供する作成システムから、納付に必要な情報をQRコードとして作成(印刷)し、コンビニエンスストアで納付する方法です。
⑦現金で納付する方法
納付額の支払い方法も以前と比べて増えてきていますが、毎年の納付期限に支払いが完了する最善の方法をとるのが良いかと思います。
103万円の壁の引上げ
2025.3.10
先週に衆議院を税制関連法案が通過し、いよいよ現実味をおびてきた
年収の壁の引き上げ。
昨年末から多くの方が関心を持たれていることでしょう。
現行の103万の壁とは、基礎控除の48万円と給与所得控除の55万円を合わせた
103万円を超えると所得税がかかる。ということですが、
今回の見直しにより最低ラインが160万に引き上げられました。
内訳としては給与所得控除が現在の55万円から65万円になり、基礎控除は
年収200万円以下の人は48万円から95万円に引き上げられました。
ただ、年収により基礎控除は引き上げ額が違うので複雑にはなりそうです。
また、特定扶養控除(納税者と生計を一にしていて年間合計所得が48万以下の
年齢が19歳以上23歳未満の方)の見直しもあり、アルバイトで働く子供の年収
要件も150万円に引き上げられそうです。
この法案が参議院でも可決されれば、今年1月からの適用となり、年末調整で
対応することとなります。
確定申告書の提出の注意点について
2025.03.03
3月に入りまして、確定申告もいよいよ残り2週間となりました。
例年との変更点としまして、
この令和7年1月から申告書等の控えへの収受日付印の押印がなくなります。
あらゆる税務手続が税務署に行かずできるように変化してきました。
申告手続きのオンライン化、事務処理の電子化、押印の見直し等が進められています。
従いまして、書面申告の提出(送付)については、申告書の正本(提出用)のみを提出(送付)するよう呼びかけられています。
令和7年1月以降、当面の間は、申告書等を収受した【日付】【税務署名】を記載したリーフレットを希望者には発行しています。
郵送等の場合にも返信用封筒を同封した場合は同様のリーフレットを返送しています。
また、郵送先にも注意が必要です。
税務署の内部事務のセンター化により、税務署に送付するのか、業務センターに送付するのか確認が必要です。
郵送提出の場合は、送付先を確認しましょう。
令和6年能登半島地震義援金の税務上の取り扱い
2025.02.25
令和6年能登半島地震義援金は、所得税法上の「特定寄附金」に該当し、寄附金控除の対象となりますので、確定申告をすれば「寄附金控除」を受けることができます。
寄附金控除額の計算は下記の通りとなります。
(1)寄附金控除(所得控除)
その年中に支出した特定寄附金の額の合計額-2,000円=控除額
(※)特定寄附金の額の合計額は、総所得金額等の 40%相当額が上限です。
(2)寄附金特別控除(税額控除)
認定NPO法人等又は一定の要件を満たす公益社団法人・公益財団法人に対して寄附金を支出した場合には、上記⑴の寄附金控除に代えて、寄附金特別控除の適用を受けることができます。
■支出した団体が認定NPO法人等に該当する場合
(その年中に支出した認定NPO法人等に対する寄附金の額の合計額-2,000円)×40%=認定NPO法人等寄附金特別控除
■支出した団体が公益社団法人・公益財団法人に該当する場合
(その年中に支出した公益社団法人等に対する寄附金の額の合計額-2,000円)×40%=公益社団法人等寄附金特別控除
(※)上記寄附金の額及びその他の特定寄附金の額の合計金額は、総所得金額等の40%相当額が上限です。また、上記寄附金特別控除の合計額は、その年分の所得税額の25%相当額が上限です。
【寄付金控除を受けるために必要な書類】
① 被災地の地方公共団体に設置される災害対策本部が発行する受領証
② 募金団体の預り証
③ 郵便振替で支払った場合の半券(受領証)(その振込口座が義援金の受付専用口座である場合に限ります。)(※)
④ 銀行振込みで支払った場合の振込票の控え(その振込口座が義援金の受付専用口座である場合に限ります。)(※)
(※)③・④の場合、募金要綱、募金趣意書、新聞報道、募金団体のホームページの写しなど、義援金を振り込んだ口座が義援金の受付専用口座であることが分かる資料を、郵便振替で支払った場合の半券(受領証)や銀行振込で支払った場合の振込票の控えと併せて、添付又は提示が必要です。
詳細は国税庁ホームページをご参照ください。
所得税の確定申告 受付開始です!
2025.02.17
本日、2月17日より2025年提出分の令和6年度所得税確定申告の受付が開始されます。
通常は「2月16日~3月15日」が申告・納付の期間になりますが、
今年は2月16日が日曜日のため、2月17日スタート。
3月15日が土曜日のため3月17日が期限となります。
納付期限も納付書等での納付は同じく3月17日が期限となりますが、
口座引き落としで納付する「振替納税」ですと4月23日に引き落としとなります。
個人事業主の方で消費税課税事業者の方は、消費税の申告はもうすでに受付が開始されております。
こちらの申告・納税の期限は3月31日になります。
振替納税ですと、すこし延びて4月30日に引き落としとなります。
まだ始まったばかりではありますが、期間が1ヵ月しかありませんので、
お早めに申告されることをおすすめ致します。
確定申告でお困りのことがありましたら、当事務所にご依頼・ご相談ください。
令和6年分以降 おむつ費用の医療費控除の取扱いについて
2025.02.10
紙おむつ代は通常医療費控除の対象とはなりませんが、医師による治療を受けるため直接必要な費用であることが明らかにされたものについては医療費控除の対象となります。
介護保険法施工規則の一部改正に伴い、令和6年度の確定申告より一部改正されました。
【改正前】
おむつ費用の医療費控除適用が1年目の者は、確定申告の際に医師が発行した「おむつ使用証明書」の添付
又は 提示が必要。
【改正後】
おむつ費用の医療費控除適用が1年目の者のうち、下記の要件に該当する場合は、医師が発行した「おむつ使用証明書」がなくとも、「市町村が要介護認定に掛かる主治医意見書の内容を確認した書類」又は「主治医意見書の写し」の添付 又は 提示をすればおむつ代が医療費控除の対象として認められることとなりました。
①
おむつを使用した年に現に受けていた要介護認定 及び 当該認定を含む複数の要介護認定(有効期間が連続しているものに限る)で、それらの有効期間(当該年以降のものに限る)がおむつ費用の医療費控除を受ける年分以降において6か月以上であること。
②
上記①の審査に当たり作成された主治医意見書であること。
③
主治医意見書に、おむつの使用に係る一定の事項が記載されていること。
詳細についてはホームページをご確認ください。
おむつに係る費用の医療費控除の取扱いについて(情報)|国税庁
登記簿の代表取締役等住所非表示について
2025.02.03
令和6年10月1日から株式会社の登記事項証明書等において代表取締役等の住所の一部を「非表示」とすることが選択できるようになっていることをご存じでしょうか?
原則として会社法の規定に基づき株式会社の代表取締役等は住所を登記しなければならず、登記事項証明書等を取得することにより誰でも代表取締役等の住所を確認することができたのですが、インターネットやSNSの普及等を踏まえ、「住所」という個人情報の公開が、住所を公開することへの抵抗感からの起業の躊躇、ストーカー等の被害、過度な営業行為等の誘発などにつながることを懸念する声が高まっていたことを踏まえ、プライバシーの保護を図り、誰もが安心して起業することができるよう商業登記規則等の改正により代表取締役等住所非表示措置が創設されました。
法務局に代表取締役等住所非表示措置を申し出ると、株式会社の代表取締役等の住所の行政区画以外の部分につき登記事項証明書等において以下のように非表示となります。
(従来の登記情報)
役員に関する事項
東京都千代田区一丁目1番1号
代表取締役 法務太郎
(非表示措置後)
役員に関する事項
東京都千代田区
代表取締役 法務太郎
ただし、代表取締役等住所非表示措置の申出は、以下のいずれかの登記を申請する場合に限ってすることができます。
・設立の登記
・管轄外本店移転の登記
・代表取締役の就任(重任含む)の登記
・代表取締役の住所変更の登記
・清算人の登記 など
代表取締役等住所非表示措置のメリットとしては、非表示措置によりプライバシーの保護につながりますが、デメリットとしては、登記事項証明書等によって会社代表者の住所を証明することができないこととなるため、金融機関から融資を受けるに当たって不都合が生じたり、不動産取引等に当たって必要な書類(会社の印鑑証明書等)が増えたりするなど、一定の影響が生じることが想定されます。
そのため、代表取締役等住所非表示措置の申出をする前に、このような影響があり得ることについて、慎重かつ十分な検討が必要です。
また、代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合であっても、会社法(平成17年法律第86号)に規定する登記義務が免除されるわけではないため、代表取締役等の住所に変更が生じた場合には、その旨の登記の申請をする必要がありますので注意しましょう!
詳細については、下記サイトでご確認ください。
2025.01.27
予定納税は、前年分の所得金額や税額などを基に計算した金額が15万円以上となる方について、その年の所得税等の一部をあらかじめ納付しなければならない制度です。
・予定納税がある場合
第1期分の「令和6年分所得税及び復興特別所得税の予定納税額の通知書」で、本人の定額減税額(3万円)が差し引かれています。
控除しきれない場合は第2期に繰り越されます。
予定納税では同一生計配偶者や扶養親族の分は減額されていません。
令和6年の確定申告(令和7年2月17日~3月17日)で定額減税額を控除します。
「予定納税額の減額申請」を行った方は、予定納税から同一生計配偶者や扶養親族の分の定額減税額が差し引かれています。
・予定納税がない場合
令和6年の確定申告(令和7年2月17日~3月17日)で定額減税額を控除します。
2025.01.20
令和7年度年度税制改正大綱では個人型確定拠出年金(iDeco)の拠出限度額の引き上げなどが盛り込まれました。
〇企業型確定拠出年金の加入限度額
・確定給付型企業年金に加入していない者は、月7,000円増額し、月62,000円に引き上げる
・確定給付型企業年金に加入している者は、月7,000円増額し、月62,000円から確定給付型年金掛金を控除した額に引き上げる
〇個人型確定拠出年金の加入限度額
・第一号被保険者(個人事業主)は、月7,000円増額し、月75,000円に引き上げる
・企業年金加入者は、月62,000円から確定給付型企業年金や企業型確定拠出年金の掛金を控除した額に引き上げる
・企業年金未加入の第二号被保険者(会社員)は、月39,000円増額し、月62,000円に引き上げる
○ iDeCoについて、60歳以上70歳未満であって現行の個人型確定拠出年金に加入できない者のうち、個人型確定拠出年金の加入者・運用指図者であった者又は私的年金の資産を個人型確定拠出年金に移換できる者であって、老齢基礎年金及び個人型確定拠出年金の老齢給付金を受給していない者を新たに制度の対象とすることとし、その拠出限度額を月額6.2万円とする。
○企業型DCのマッチング拠出について、加入者掛金の額が事業主掛金の額を超えることができないとする要件を廃止する。
iDeCoは、公的年金(国民年金や厚生年金)とは別に運用される任意加入の私的年金制度です。
この制度は、多様化する働き方やライフスタイルに対応しつつ、税制上のメリットを活用して老後資産の形成を支援することを目的としています。
公的年金とは異なり、加入は個人の判断に委ねられています。
制度改正のポイントとして今回の改正では、勤務先が企業年金を導入しているかどうかや、その種類に関わらず、すべての加入者が平等に資産形成を行えるような仕組みづくりを進めています。
特に掛金の税制上の優遇措置が拡大され、老後に備えた資産形成がより進めやすくなります。
2025.01.14
子育て世帯への税制面での支援が強化されます。
〇生命保険料控除
・新生命保険料の一般生命保険料がある
・23歳未満の親族を扶養している
以上に該当する方は、一般生命保険料控除額4万円の適用限度額に対して2万円の上乗せ
6万円を控除できます。
※ただし、一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の合計額は、現行と変わらず12万円のままです。
※2026(令和8)年分の所得税に適用されます。
〇住宅ローン控除
・夫婦のいずれかが40歳未満、又は、19歳未満の親族を扶養している
・認定住宅等の新築物件を取得した
・令和7年1月1日から12月31日までに居住していること
・合計所得金額が2000万円以下
・床面積40㎡以上(合計所得金額1000万円以下の場合)
以上に該当された場合、控除対象借入限度額の上乗せがあります。
〇住宅リフォーム控除
・夫婦のいずれかが40歳未満、又は、19歳未満の親族を扶養している
・既存住宅に子育て対応改修工事を実施している
・令和6年4月1日から令和7年12月31日までに改修工事を終了し居住している
以上に該当された場合、標準的な工事費相当額(対象工事限度額は250万円)の10%の金額を所得税から税額控除できます。
※この特別控除は、令和6年の特例措置を1年延長しています。
※年齢、扶養親族に該当するかどうかの判定は、12月31日時点で行います。
2025.01.06
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
物価上昇局面における税負担の調整の観点から、所得税の基礎控除等の見直しが行われます。
【内容】
(国税)
●基礎控除額:10万円引き上げます。見直しの結果、基礎控除の額は次のとおりとなります。
合計所得金額 | 基礎控除の額 |
2,350万円以下 | 58万円 |
2,350万円超2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
※上記の改正は、令和7年以後の所得税について適用されます。源泉徴収税額の見直しは、令和8年1月1日以後に支払うべき給与等からとなります。
●給与所得控除
55万円の最低保障額を65万円に引き上げます。
●特定親族特別控除(仮称)
居住者が生計を一にする合計所得金額58万円超123万円以下である年齢19歳以上23歳未満の親族を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額から次のとおりの控除額を控除します。
親族等の合計所得金額 | 控除額 |
58万円超85万円以下 | 63万円 |
85万円超90万円以下 | 61万円 |
90万円超95万円以下 | 51万円 |
95万円超100万円以下 | 41万円 |
100万円超105万円以下 | 31万円 |
105万円超110万円以下 | 21万円 |
110万円超115万円以下 | 11万円 |
115万円超120万円以下 | 6万円 |
120万円超123万円以下 | 3万円 |
※実質的に大学生は、給与収入150万円までであれば、その親が63万円の控除を受けることができます。
●上記の見直しに伴う所要の措置