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新設された「教育資金の一括贈与の非課税措置」の続報2013.05.09
日本では子を私学に行かせた場合、家計に占める教育費の割合が高く、親世代の子育ての大変さは「将来の教育費への不安」が大きくなっています。
また、孫のために教育費の支援をしたいと思う祖父母は多いのですが、一括して贈与すると贈与税が課税されることになり、贈与を躊躇することが多くなっています。
そこで創設されたのが、「教育資金の一括贈与の非課税措置」です。
一般的な贈与の仕組みは、贈与を受けた人が贈与税を払います。
ただし、年間110万円までは基礎控除があるため、年間110万円までの贈与には贈与税がかからず、それを超えた場合には、超えた部分に税率をかけて贈与税を算出します。
新設された「教育資金の一括贈与の非課税措置」
30歳未満の子や孫(受贈者)へ、親や祖父母(直系尊属)が、教育資金に充てるために一括してお金を贈与した場合には、受ける側一人について、1500万円までを限度に、贈与税を非課税とします。
(条件)
①平成25年4月1日から平成27年12月31日までの贈与
②直系尊属(親や祖父母等)からの贈与
③お金は、受贈者(子や孫)名義の信託銀行等の口座で管理されること
④お金は、教育資金として学校等に支払われるものであること
⑤学校等以外への支払いは、500万円までが限度であること(注1)
⑥子又は孫である受贈者が30歳になるまでに使い切ること
30歳までに使い切ることができなかった場合には、30歳になったときに、使い切れなかった部分の贈与があったものとみなされて、贈与税が課税されます。
(注1) 上記⑤の学校等以外への支払いで、この非課税措置の対象となるのは次の通りです。
①学習関連・・・・・・・・学習塾、家庭教師、そろばん塾等
②スポーツ関連・・・・・水泳教室、野球教室等
③芸術関連・・・・・・・・ピアノ教室、絵画教室等
例えば、孫が10人いたとすれば、最高で、1億5000万円までが、無税で贈与できることになります。
さらに画期的な特徴があります。
通常の贈与であれば、相続が発生しそうになってあわてて贈与しても、相続開始前3年以内の贈与は、相続財産に取り込まれてしまいます。
しかし、この新設の「教育資金の一括贈与の非課税措置」は、特例として、相続開始前3年以内の贈与でも、相続財産には含まれません。完全に相続財産とは切り離して考えてもかまわないということです!!