事務所ブログ

特定口座での上場株の売却益や配当は、確定申告しますか?2014.03.07

 

 25年度の確定申告の申告期限まで、あと10日となりました。
 確定申告はおすみでしょうか?
 

 株式の譲渡所得について、迷うところ、間違いやすい代表的な事例をピックアップしてみました。

    Q1
    専業主婦が、特定口座(源泉徴収あり)で、100万円の利益を出しました。
    配偶者控除の適用は受けられるでしょうか?

 奥様が所得を確定申告しないのであれば、もちろん、配偶者控除の適用を受けることができます。

 証券会社に開設した、特定口座(源泉徴収あり)は、証券会社が売買ごとに、また、配当が入るごとに、税金を徴収(天引き)してくれるので、確定申告は不要です。
 申告が不要なので、株の売却益も配当も、所得にカウントされず、扶養に入っている人が扶養からはずれたり、所得により保険料が変わる国民健康保険の保険料があがることもありません。
 便利ですね。

    Q2
    昨年度(24年)は、特定口座(源泉徴収あり)の所得を申告せず、医療費控除のみの確定申告
    をしましたが 、特定口座を申告した方が還付税額が多いことが後から分かりました。
    
申告(更正の請求)はできますか?

 残念ながら、できません  

 申告不要の特定口座の所得も、確定申告をしたほうが、還付税額が多くなるケースがあります。
 しかし、当初申告で申告しなかった特定口座(源泉徴収あり)は、申告不要制度を適用したことになるため、その後の申告(更正の請求)で、その口座内の所得や損失の金額を加えて、所得税を再計算することはできません。
 

    Q3
    昨年度(24年)は、特定口座(源泉徴収あり)の所得を申告し、還付を受けましたが、
    国民健康保険料の負担額が増えてしまいました。
    
特定口座の所得を除外して、修正申告書を提出することはできますか?

 残念ながら、できません。

 申告不要の特定口座の所得を確定申告したほうが、還付税額が多くなるため、申告したものの、前年の所得に応じて保険料が決まる国民健康保険(市町村の健康保険)の保険料がアップしてしまい、後悔するケースです。
 特定口座(源泉徴収あり)の所得や損失を申告し、その後、更正の請求や修正申告書を提出する場合、その特定口座の所得や損失の金額を除外することはできません。


 Q2とQ3の事例は、確定申告のチャンスは一度きり、といえます。

 申告不要の特定口座を確定申告したほうがメリットがあるのか、目先の還付税額を目的に確定申告したら別のデメリットがでてくるのか、判断に迷い、とても難解な点です。

 このようなときは、ぜひ、プロである当事務所にご相談ください。