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COLUMN

コラム『所長の眼鏡』|2026年

君、明日から会社を辞めてくれ

2026.01.05

2026年がスタートしました。

今年は2月に冬季オリンピック、3月に野球のWBC、6月にサッカーのFIFAワールドカップが開催されます。

スポーツ観戦が好きな人にとっては、待ち遠しいビッグイベントですが、始まったらまた寝不足が続きそうです。


ところで、3月末をもってNTTドコモが3GサービスFOMAを終了するのをご存じですか?

これによって携帯電話IP接続サービス「iモード」のサービスも終了となり、NTTドコモのガラケーの歴史に幕が閉じられます。

ポケベルがなくなった時のように、時代の移り変わりを実感しますね。


さて、新年早々、シュールなタイトルからスタートしましたが、「君、明日から会社を辞めてくれ」これは、松下幸之助がある課長に投げかけた一言です。

あなたなら、この言葉の”真意”をどう受け取りますか?


当時、松下電器では、コタツの不具合で回収業務に当たっており、製造を行った課の課長が回収責任者でした。

そして、松下氏は彼にこう続けます。

「会社を辞めて金を出してやるから、しるこ屋になれ。どうすれば売れると思う?」


・・・最初は何のことかわからず、課長は沈黙します。

 課長「有名なしるこ屋を調査します」

 松下氏「何を調査するのや?」

 課長「その店が、なぜ流行っているのか理由を具体的につかみます」

 松下氏「次は?」

この調子で、どうすればお客さまにとって美味しくなるのか?周りの人の試食は?

どうやってその味を維持する?お客さまの反響を逐一チェックするには?

価格はどうする?いくらならお客さまは買う?

など、根掘り葉掘り聞き、課長に考えさせたあとこう切り出しました。

「一杯5円(当時の価格)のしるこでさえ、ここまで考えないと売れない。

それより高い製品を売る立場の君は、その100倍、200倍考えて努力しないとダメだ。

分かったら、『会社を辞めてくれ』は取り消すから、明日から課長の仕事をしっかりやってくれ」


これは単なる叱責ではありません。

モノやサービスを売るものとして”売る側”ではなく、”選ぶ側”の視点でビジネスを見直しなさい、ということです。

残念ながら、この原点からどうしても離れてしまいます。

真剣に真面目に自社のサービスに向き合う時間が長くなればなるほど、「お客さまが求めるもの」より、「自社のこだわり」に意識が向きがちだからです。


「いい商品なのに、売れない…」「何を変えればいいのか分からない…」

もしこう悩むのなら、「お客さま視点」が徐々に薄くなっているアラートかもしれません。

「来年から考えようかな…」そうして動かなかった結果、何も変わらないまま新しい年を迎える経営者を何人も見てきました。

松下氏が課長にしるこ屋を想定させたように、この年始に「マーケティングの原点」に立ち返って考えてみませんか。


今年の干支は丙午(ひのえうま)です。火の力が重なる干支だと言われています。

情熱や勢いが高まり、太陽のようにエネルギーが満ち溢れる年となります。

大きな飛躍のチャンスですので、新しいことや諦めかけていたことに挑戦すると良い結果に繋がる年になるでしょう。

今年もよろしくお願いします。

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