コラム『所長の眼鏡』

酉年ですが日本の国鳥はご存知ですか2017.01.01

 2017年がスタートしました。今年は酉年ですので、私は年男になります。 酉という漢字は普段あまり使いませんが、ニワトリのことを指していますので、どうりで普段バタバタしているはずです。 でも、酉のつく年は商売繁盛に繋がると言われ、(トリ)は「取り込む」、運気もお客様も取り込めるそうです。

では、酉年にちなんで、皆さんは日本の国鳥は何かご存知ですか? トキ、キジ、鶴、鳩、白鳥…なかなか即答できる方は少ないのではないでしょうか? トキは、しばしば「日本を象徴する鳥」と言われますし、鳩は「平和の象徴」、鶴も「鶴の恩返し」の物語がいかにも日本的ですよね。
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答えはキジです。 すぐに思い浮かべるのが「桃太郎」に登場するキジだと思いますが、以前の1万円札の裏面にあったのもキジです(現在の1万円札の裏面は鳳凰)。 キジに決まった理由は、緑色のキジは日本の特産であり、留鳥で山奥へ行かず人家の近くで一年中みられ、姿が美しく古くから民話で子供たちにも知られている。 さらに、雄の飛ぶ姿は力強く男性的で、雌は母性愛の象徴のように言われるのが理由だそうです。 その雌の母性愛の象徴と言われる逸話があります。

ある日、雛鳥を温めていると、近くで山火事が起こります。 周りの鳥たちは一斉に飛び立っていきますが、雛鳥はまだ飛ぶことができません。 火はどんどん巣に迫ってきます。 しかし、雌鳥は巣から去ろうとしません。 そしていよいよ炎が迫った時、雌鳥は雛鳥に覆いかぶさったのです。 時がたち、火が収まると、焼かれた雌鳥に包まれていた雛鳥はなんと生きていた!という物語です。 「焼野のきぎす」という諺にもあるように、野火に自分の羽は焼かれても子供をしっかりと守るという母性愛の強い鳥なのです。 この話が日本的だということも理由の一つだそうです。 国鳥がキジで納得ですよね。

さて、今年はどんな年になるのでしょうか。 今年は何といっても、ドナルド・トランプ氏のアメリカ大統領就任でしょう。 世界中がこの人に振り回されるのでしょうか。 金利は、為替は、株価は、注意深く見守るしかないでしょう。 スケベ根性を出すとトリ返しのつかないことになりそうな気がします。 ただ、世界経済の転換期であることは間違いなく、後悔しないようにしなければなりません。

10年後にはきっと、せめて10年でいいからもどってやりたいと思っているのだろう。 今やり直せよ。未来を。10年後か、20年後か、50年後からもどってきたんだよ今。

作者不明ですが、はっとさせられる言葉です。 人生はやり直しができます。 しかし、時は取り戻すことができません。 最後に、年始らしく、大正から昭和に活躍した社会教育家、後藤静香の詩を紹介します。

十里の旅の第一歩 百里の旅の第一歩 同じ一歩でも覚悟がちがう 三笠山にのぼる第一歩 富士山にのぼる第一歩 同じ一歩でも覚悟がちがう どこまで行くつもりか どこまで登るつもりか 目標が その日その日を支配する

どこまで行き、どこまで登るか、目標の高低が覚悟と結果を決めるのですね。 国鳥のキジのように、大切なものを守り、悠然と空を飛べるように、今年一年、後悔しない歩みを続けたいものです。 そして、商売繁盛をトリ込みましょう!
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