コラム『所長の眼鏡』

ガラパゴス化していくもの2018.03.01

 平昌五輪も無事閉幕しましたが、今回も多くの感動を与えていただきました。 世の中の進化が急速に進んでいますが、人間の進化も凄まじいです。 フィギュアスケートの4回転ジャンプは圧巻ですし、昔はチャラいだけと思っていたスノーボードにいたっては、何がどうなっているのやら衝撃の技を見せてくれました。 同時に、4年に一度のオリンピックという大会は、いつも「時間」というものの重みを教えてくれます。



さて、スポーツの進化は同じ土俵に上がらない限り、自分とは無関係(そもそも上がれない?)ですが、世の中の進化は、ある程度ついて行かないとただ取り残されるだけということもあります。

「ガラパゴス化」という言葉を聞かれたことがあると思いますが、孤立した環境(日本市場)で最適化が進行すると、エリア外との互換性を失って孤立して取り残されるだけでなく、外部(外国)から汎用性や低価格、製品技術が導入されると、最終的に淘汰される危険に陥るという意味です。 進化論におけるガラパゴス諸島の生態系になぞらえた言葉ですが、携帯電話の通称「ガラケー」はガラパゴス携帯の略ですね。 では、皆さんはFAXをお使いですか? 私は自宅ではほとんど使うことはありませんが、事務所では欠かせないアイテムの一つです。 ところが、米国のワシントンにあるスミソニアン博物館には、一昨年からFAXが展示されているのです。 日本では年間170万台も購入されているFAXが、米国では絶滅危種として博物館に展示されているというのは衝撃です。 ただ、米国でも一部健在で、EメールよりもFAXの文章は法的文章になるということで活躍しているようですが、紙を使用するため資源の無駄、つまり「エコ」ではないということと、非効率だということで海外では消滅していっているようです。

一方、日本ではまだまだ需要があるというのは、高齢化社会が関係しているようです。 パソコン、スマートフォンがこれだけ普及している現代で、ついて行けないお年寄りが簡単気軽に使用しているのだそうです。 日本の高齢者は昔ながらの方法を好みますし、新しい技術は拒否してしまう傾向がありますが、確かにFAXは手紙のやり取りに近く、字体もその人のものだと伝わりますし、切手もいらないのでお年寄りにとっては便利なのでしょう。 とはいっても、お年寄りだけでなく、日本の会社オフィスのほぼ100%がFAXを使用しています。 受注発注の記録を残したり、個人情報をネットでやり取りすることを嫌う会社も多く、依然として需要はありそうです。

他にも音楽CDが健闘している日本が独特で、海外ではネットを通じた音楽の有料配信が拮抗しているが、日本では依然としてCD市場が有料配信を大きく上回っているようです。 ただ、「ストリーミング」と呼ばれる定額聞き放題の配信サービスが台頭し、ガラパゴス化の一途をたどっています。 カーナビも新車に高性能のものが装備されるようになり、愛車に後付けするという市販品は苦戦しているようです。

これまで、いつの間にか市場から見なくなった商品は数えきれないほどあります。 オリンピック選手でも4年後を見据えた世界のライバルたちとの戦いやルール改正との戦い、そしてなんといっても自分との闘いの中で、思わぬケガや資金の面などで残念な思いをした選手の方が多いのではないのでしょうか。

次は東京五輪です。どんなドラマを見せてくれるのか。今から楽しみです。