コラム『所長の眼鏡』

同じ行を何度も読んでしまいませんか?2019.09.01

 

街を歩いていて自分がどこにいるかわからないっていう経験はありますか?

「酔っ払ったらいつも!笑」という意味ではなく、

要するに迷子ということです。

見知らぬ街で初めての道や、

東京に行ったら右も左もわからなくなった、

というのは誰しも経験のあることだと思います。


今でこそ、車にはカーナビ、スマホにもナビのアプリがあり、

使いこなせる方にとっては便利な世の中になりました。

一昔前は要所にある道案内の立て看板を頼りにしたり、

車には分厚いロードマップがあって、

地図を見ながら運転したものです。


では、皆さんは本を読んでいて、

同じ行を何度も読んでしまうことはありませんか?

特に難しい本だと、「ふむふむ…」と読んでいる途中で、

「あれ、おかしい」と気づきます。

要するに読書の迷子です。


ここで、ちょっと実験をしてみます。

次の4文字を並べ替えて、正しい言葉を作ってください。



では、次にいきます。次は食べ物の名前です。


どうでしたか?

食べ物はかなり楽に答えられたのではないでしょうか。

カーナビと同じで、適切にガイドしてくれれば、

ストレスはかなり軽減されるはずです。

実は読書も同じなのです。

読書の場合、あらかじめ内容を示してくれるガイド役は、

章のタイトルや小見出しがそれに当たります。

読書で迷子になる人というのは、

ほとんど見出しを読んでいないという方が大半です。

読書が苦手な方は是非試してみてください。


ところが経営や仕事においても迷子になってしまうことがあります。

何を頼りにしたらいいのかわからなくなったりしますが、

それにしても、「昔の人はすごい」の一言で片づけられない人がいます。

日本の地図を作った伊能忠敬です。

農民であり商人であった忠敬は、

49歳で隠居し、50歳のときに江戸に出て、

天文学、暦学、数学を学びます。

そして、55歳のときに旅に出、

足掛け17年、なんと71歳まで日本全国を歩いて日本地図を完成させたのです。

しかもその誤差はたったの1000分の1だそうで、

海岸線は人が歩けない険しい崖が多いにもかかわらず、

その海岸線もきわめて正確に描かれています。

現代のような測量機器もなく、道なき道を行き、

その距離を正確に測るなんて想像もつきません。

気の遠くなるような大仕事ですが、

忠敬は途中で迷子にならなかったのか知りたいものです。