コラム『所長の眼鏡』

ジャパネットたかたに学ぶ「売り方」の極意2021.08.01

 

ついに東京オリンピックが開幕しました。

連日の日本人選手の活躍に、報道の過熱ぶりも予想どおりです。

メダルの数よりもコロナの感染者数の方が激増しているのに、ここまで五輪一色になれる報道は病的ですが、始まった以上これは致し方ないのでしょう。

 

 

スポーツにはドラマがあり、勝敗や順位も重要ですが、そこに至るまでの過程に人々は感動します。

これは商品を売るときにとても重要な考え方で、人はその商品そのものが欲しいのではなく、その商品によってもたらされる結果や変化(=ベネフィット)を買っています。

私がいつも言う「ドリルが欲しいのではなく、穴が欲しい」からドリルを買うんですね。

したがって、商品を売るときは、商品そのものの特徴を伝えるだけではなく、その商品によって、どんな結果や変化がもたらされるかを伝えなければなりません。

 

ジャパネットたかたの高田氏は、皆さんもご存じのとおり、テレビショッピングの天才です。

一代で会社を立ち上げ、ラジオショッピング、テレビショッピング一本で年商1,500億円の会社を作り上げました。

 

 

では、普通の人と高田さんは何が違うのか…。

明らかに違うのは、「ベネフィットの違い」です。

それがよく分かる、こんなエピソードがあります。

 

高田氏は、一眼レフのカメラを売ろうとしていました。

綺麗な写真が撮れる高性能のカメラです。あなたなら、この一眼レフカメラをどうやって売りますか?

 

「◯万画素なので、ものすごく綺麗な写真が撮れます!」

「望遠レンズがついているので、遠くの景色も鮮明に撮影できます!」

「一眼レフの中では最軽量なので、どこでも気軽に持ち運べます!」など、ざっとこんな感じでしょうか。

でも、高田氏は、こんな風に売ったんです。

 

「お子さんが生まれたら、毎年1枚、良いカメラで写真を撮って、それを新聞の大きさに伸ばしてください。

すると、成人の日までに20枚の大きな写真が揃いますよ。それをお子さんにプレゼントするんです。

最高の贈り物になると思いませんか?それが出来るのが、良いカメラなんです。

皆さん、スマートフォンで撮りますね。でも、誰もプリントしない。

それでは感動は生み出せませんよ~」

 

どうでしょう。

きっと、感じ方は全然違ったんじゃないかなと思います。

高田氏は「モノをモノとして売ろうとしてもなかなか売れません。

『その商品をどんな風に使えば、生活がどのように楽しくなるのか、豊かになるのか』

『この商品によって生活はどう変わるか』といったことが具体的に表現できた時、商品は売れていくのです」と仰っています。

ついつい、商品を売ろうと思うと、商品の良さばかりを伝えてしまいますが、高田氏は商品を売るとき、絶対に「商品」を主役にしなかったそうです。

その商品を使う「お客さん」を常に主役にして、そして商品の性能のアピールをするよりも前に、その商品がお客さんの生活をどんな風に変えるのか?

を伝えることに集中してきたそうです。

 

オリンピックの中継や報道を見ていると、テレビってこういうのは上手に伝えるな~と思って見てしまいます。

何よりも、そこに登場する選手たちが、目標や夢に向かって人生をかけて真剣に取り組んでいるから感動するんでしょうね。