コラム『所長の眼鏡』

サラリーマン川柳2008.06.01

 

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「空気読め!! それより部下の 気持ち読め!!」
先日、第一生命のサラリーマン川柳ベスト100が発表になりました。
私は毎年楽しみにしているのですが、もう今年で21回目になるそうです。相変わらず面白いのですが、どれも自虐的でサラリーマンの哀愁が漂っています。
毎年その年の世相を反映したネタも多いのですが、やはり会社でも家庭でも苦労をされているお父さんの愚痴には思わず笑ってしまいます。

冒頭の川柳が今年の第1位に選ばれたのですが、上司と部下が社内でかみ合っていない様子がよく分かります。KYという言葉も「空気が読めない」の略語として最近当たり前のように使われていますが、昨年の9月に突然辞任された安倍前首相を指して、女子高生が面白おかしく表現したのがきっかけで一気に一般に広まりました。安倍さんはつい最近のインタビューでそのことについて問われ、「空気を作るのが仕事なのに、それができなかった・・・」と話していましたが、今の首相の方が・・・(^^;)

話が少し横道にそれましたが、職場関係の川柳は他にもたくさんあり、最近流行している「昭和上司」に「シュガー社員」といわれるように、職場の不機嫌度は最高潮のようです。
さて、まだ耳慣れないと思いますが、「昭和上司」というは、雑誌『AERA』に紹介されていましたが、
『残業が大好きで、会社が命で、過去の武勇伝が酒の肴……。こんな時代錯誤の上司が、まだまだ生息している。仕事の効率化やワークライフバランスが求められる今。こんな上司たちをどう変革すればいいのか。夜10時を回ったころだった。喫煙ルームから戻ってきた次長(52)が、職場に残っている部下を見渡して言った。「じゃあ、始めるぞ、会議」ここから延々、終電のころまで、堂々巡りの話し合いや報告書づくりが続いた』
といった惨状が紹介され、働きやすさは上司次第という記事になっています。

一方「シュガー社員」とは、昨年出版されベストセラーとなった『シュガー社員が会社を溶かす』(田北百樹子著、ブックマン社)に書かれており、著者が名付け親のようです。田北さん曰く、以前から存在はしたのでしょうが、急速に増えてきたのは、ここ3.4年。要するに昔でいう「迷惑社員」のことで、「仕事ができず甘ったれ、周囲に迷惑をかけてもまったく気づかず、常に自分本位に物事を考えている。そのくせ、向上心はなく、権利意識だけは異常に強いのが特徴」とボロカスに書かれています。
そして、甘やかされて育ち、じわじわと入り込んで会社を溶かしてしまうので「シュガー社員」と名づけたそうです。
どちらも、なるほど…と納得してしまいます。冒頭の川柳のように、昭和上司がイラつく社内には、ただいまシュガー社員が増殖中のようです。

あまり笑えない話を書きましたが、サラリーマン川柳ベスト100(http://event.dai-ichi-life.co.jp/senryu)をご覧ください。過去の作品も見れますので、きっと気分転換になると思います。